「首相記者会見 医療費窓口負担2割「将来世代の負担を減らすことが大事」 - 産経ニュース」

 それが今いちばん手堅い手だろう。サムライっぽいというか武士道的な。

 が、そういった精神性は引き継がれず、極めて合理的(無機質)な思考に向かいつつある社会においては、若手世代に「現役時代にどれだけ納めても将来の社会保障は削られるだけ」という印象を抱かせ、政治や制度に対する失望感から滞納者を増やすことになるかもしれない。

 結果的にかつてのヨーロッパ(の一部)のように健康保険制度が崩壊する可能性がある。アメリカで言うオバマケア(国民皆保険制度)と反対の風向き。

 世界も時代もグルグルと循環しているように見える。

 これは雇用に対する“気持ち”の移り変わりに似ている。

 終身雇用で一生面倒見てくれるなら生涯忠誠を誓うという人はいても、この20年は大企業ですら10年後の保証もできないし、更にはこのパンデミック下で将来のことなんて何もワカラナイことを思い知らされ、もはや“組織”をあてに出来る時代じゃない。そしてついには電通のように社員を個人事業主化する流れが生じ、サラリーマンは野に放たれることになる。すなわち“傘”を失う時代。言い換えると自立の時代。

 若者が国を信じなくなると統制が取れなくなる(コントロールを失う)ので、政治家としては非常に難しいところだろう。