「性別や預貯金額も関係? ワクチン接種の意欲調査―経産研究所:時事ドットコム」

「しないつもり」「決めていない」と回答したのは、女性や預貯金額の少ない人、他人を信用しない傾向のある人、全般的な不安感を抱える人などに多かった。

 もうちょっと掘り下げてみると、預貯金が少ないということは収入が少ないすなわち単純労働やサービス業など、ちょっとしたことでいつ生活資金が底を突くかわからない人(或いは職場自体がなくなる可能性のある人、またはちょっと休んだらすぐクビになるかもしれない人)だろうことから、ワクチンの接種による副作用で仕事を休むことになったらどうしようという目先の問題に悩みがち。

 具合が悪くてもコロナウイルスに感染したと判明したら仕事を休まなきゃいけない、場合によってはクビになるかもという不安から病院で検査を受けないという選択をする可能性の高い人

 自分の生活が精一杯だと他者の利益(少なくとも自分は他人に感染させない)を優先するゆとりがないから接種を躊躇うと考えられる。

 一方、高所得=役職者であり、すぐにでも生活資金が底を突くこともないため、ワクチンの副作用に対する不安が少ない。何かあれば仕事を休めば良い=自由度が高いから。かつ、コロナウイルスに感染して重症化しようものなら取引先や他の従業員達に迷惑をかけるリスクの方が高く、接種する派が多いと考えられる。

 結局のところ、社会における立場=自分が必要とされているか否かの自己肯定感が、優先順位を決定付けていると言える。

 自分がいなければこの会社は潰れる=他人に迷惑をかけると考えたら当然に接種するし、自分なんていなくてもすぐ代わりが見つかると考えたら、余計な変化(副作用リスクとか)を望まないのも当然。

 女性に多いのは、それだけ女性の社会進出が進んでいない日本を表しているということだろう。

 収入が男女対等になる前に「何でも折半」みたいなカップルが増えると、女性の生活水準は以前に増して下がることになる。だからもうしばらくの間は例え古い感覚であったとしても“男の甲斐性”(「オレが女を養う」)みたいな精神性をなくすべきではないと私は思う。

 男女の体格・体力差がありながら「平等」「対等」を持ち出して、「なんでオレが席を譲らなきゃいけないんだ」とか「なんでオレが荷物を持たなきゃいけないんだ」というのと同じで、何もまだ同じにはなってないので、その差分をどこかで男が負担するのがフェアだろう。

 それを受け入れずして、何で累進課税は無条件に受け入れるのと思う(笑)。

 要は社会には暗黙かつ潜在的な強者・弱者が存在するということを認識するところから全体理解が始まる。