ウイルスの感染と発症の大ざっぱなまとめ。

 私がワクチンを打ったことを知り、急に「考え直した」らしい知人女性から、「わかりやすく説明して」と言われ雑だがまとめてみた。

 「感染価」という言葉があり、これは感染が生じるウイルス量。あるウイルスにどのくらいの量曝露すると細胞に感染するか(細胞に感染すると増殖が始まる)。ウイルスによってその量が違う。この量に達したか否かで感染リスクが変化するので、「挨拶程度」の会話と食事とでは全くリスクが異なる。

 また感染が生じる必要量は個人によっても違う。免疫力が上回れば(ワクチンや感染歴も含む)、免疫系が対処する方が早いため、ウイルスが細胞内に入る前に退治完了し、感染しない。免疫力に対しウイルス量が上回れば免疫系の対応が間に合わないので感染が生じやすいことから、向かい合って喋りながらの食事は、お皿やグラスなどに付着した飛沫に含まれるウイルスを確実に口の中に運ぶことになりリスクが高い。

 そして「感染」は、ウイルスが細胞に入り込んだ状態。手に触れた、鼻から吸い込んだ、口から食べただけではまだ感染したかどうかはわからない。免疫力が高ければウイルスが細胞に入る前に退治され消滅する。

 ※俗に言う「免疫力」は、同じ量のウイルスを体内に取り込んだ際に感染が生じにくい人を「高い」としている。ワクチン未接種、感染歴なしの状態では自然免疫系が対応するため、マクロファージなどが出払ってないことが重要。歯周病が全身疾患に関わっているとされているのは、歯周病菌が血流に乗って全身を駆け巡ると、自然免疫系がその対応(退治)に追われるから他が疎かになり感染しやすくなると考えられる。よって他の疾患がないことが免疫力の高さにつながる。

 ということから身体に付着した、体内に取り込んだ(吸い込んだ)だけではまだ「感染した」わけではないので、この取り込み(吸い込み)を予防する効果は当然にワクチンよりもマスクやゴーグル、防護服の方が効果がある。ワクチンを打っても呼吸をすれば吸い込むし、他人と会話や食事をすれば吸い込む量自体は接種前と後で変わらないから。

 その取り込んだ(吸い込んだ)量が冒頭の「感染価」に達し、ウイルスが細胞の中に入って感染が完了するか否かが免疫系やワクチンの働きで決まる。いわゆる免疫力、抵抗力。

 ファイザーのワクチンは発表当初「発症予防であり、感染予防効果は不明」とされていたが、2つのmRNAワクチンは91%という「ぱねえ」感染予防効果を示した(ファイザー 93%、モデルナ 82%)とアメリカCDCから報告されていますとあり、感染予防効果も高い。

 これは体内に取り込まれたウイルスが細胞に入り込む(感染を生じさせる)ために必要なスパイク(突起)の遺伝子情報をmRNAという形でワクチン化していることから、ワクチン接種後の免疫系はこのスパイク情報を学習し、ウイルスが体内に入ってくれば抗体が攻撃し(免疫反応)、スパイクが失われたウイルスは細胞に感染できないため、感染予防効果があると言える。

 ※それでも曝露量が多く免疫系が追いつかない場合は感染が生じる可能性がある。よって食事などマスクを外した状態で長時間接することのリスクの高さがわかる。

 ※パンデミック発生当初何度か触れた塩素は、このスパイクを除去する力があり、感染力を弱める効果があるため、今でも日本の感染者数の少なさの要因の1つだと考えている。

 「ウイルスの遺伝子情報を接種する」というと怖がる人が多いようだが、現状接種されているCOVID-19ワクチンは生ワクチンではないので、ウイルスそのものを接種しているわけではない。飽くまで「スパイクのコード(設計図)」という部分的なもの。

 ファイザーやモデルナ製ワクチンはmRNA型であり、中学校で習うようにDNAを複写(転写)したものがRNAであって、逆転写酵素を持つレトロウイルス(HIVなど)を除いてRNAからDNAへの逆転写は生じない。すなわち不可逆(一方通行)であり“同期”はない。よって我々のDNAに取り込まれることはない。

 ワクチン接種後は他人に迷惑をかける(拡散する)確率が低下するのは、体内に取り込まれたウイルスが細胞に感染しなければ増殖しないから。菌の増殖で言えば細胞分裂で2,4,8,16,32と急速に増えていくように、感染が生じ増殖が始まるとそれだけ外に排出する量も増える=唾液や便などから身近な人にうつす可能性が高まる。

 非接種者から見ると接種者が増えることは外部経済。無症状・無自覚だった人達が垂れ流していたウイルスが減少していくから。=街からウイルスが減り、感染価に達する確率が下がるから。

 日本人の場合は人目を気にしてワクチン接種後もマスク着用が続くだろうことから、ある一定の接種数に達したところから究極的な感染拡大防止効果が得られると思われる。