「あるはずのワクチンがない? “4000万回分の在庫” は一体どこへ?ワクチン不足問題の裏側を解説」

 私も最初に「4,500万回分が〜」と聞いたときは、これはどこかに過剰在庫が眠っているなと思ったが、よく考えたら計画的な自治体は2回目分を確保しているだろうし、予約で既に接種が確定している分も含め「みなし接種済み数」としてカウントする必要がある。

 現役層の接種が始まり、接種スピードが上がれば上がるほど未報告分も増加しているだろうことから「既に7,000〜9,000万回接種済みの可能性があり」が07月09日時点での私の見立て。9,000万回分出荷して9,000万回接種完了済みだと「今打ってるものは何?」ということになるので、当然に「みなし接種済み」(1回目予約+2回目確保)分を含む。


 最初に「偏在の可能性」と出たのは06月25日。その後「実は4500万回分のワクチンが使われていない」と見たのは07月03日。この間に集計し推定した数字だろう。

 ちょうどその間に、早い自治体は前倒しで現役層の予約受付が始まった。

 記事にある「接種されたものの記録されていないものが500万回分」を差し引くと残り4,000万回分。毎日150〜200万回超(先月の約2倍)ほど接種されているため(報告が追いつかない数も増えていくだろう)、昨日更新分のデータ(一昨日分)までの13日間で1,950万回分消費され、07月に入り多くの自治体で現役層接種が始まったことを踏まえると、残2,050万回分は07月上旬の早い段階で「予約済み」となり今接種している最中と思われる。

 よって今この数字を追いかけても「自治体には在庫はない」しか結果は出ない。

これらを差し引くと純粋な在庫というのは約1000万回分程度だと見られているんです。問題はこの1000万回分なんですが、政府もどこにあるのか正確に把握できていません。そして一部の自治体が必要以上にため込んでいると見ています

 多分ソレも既に予約済み(1回目予約+2回目確保分も含めみなし接種済み)となった可能性が高い。騒動の最中に。07月04日の投稿時点で、予約可能な個別接種医院のページが半減していたので、07月03日に「4,500万回分のワクチンが使われていない」と発表された時には既に埋まっていたか埋まりつつあったか。

 国としては06月下旬までの接種ペースから見れば「供給量は足りている」「どこかで在庫が眠っている」としたものの、そこの数日間のうちに現役層が動き出し、調べているうちに接種が追いつき追い越したっぽい。

 急に「偏在」が解消され在庫不足になった理由としては、現役層が動き出すと、予約が取れる医院を探し回るため、今まで1日に6人分の予約が埋まらず在庫を抱えていた医院の分も効率良くはけるようになったと考えられる。

 1回目の予約と同時に予め2回目分を確保しておくか、順次入荷分を割り当てていくかは自治体により、「2回目の分が足りない」と言っているところは後者だろう。

 モデルナ分と合わせると、今月中に1億回超の接種が完了すると思われる(データ更新は1-2週間の後追い)。

 ということから、公表されている出荷済み本数から見ると新規で受け付けられる分の在庫はない(なくなった)。転じて現在は弾切れ

 確保済みワクチンでいかに効率良くパンデミックを抑えるかを考えると、私は労働人口(現役層)の7割を先に打つべきだったと思う。

 現在新規感染者の8割が40代以下とある。

 自粛が長期化すると若い層ほど我慢できず人と会おうとするから。