接待交際費が削られるとどうなるか。男女割り勘は公平なのか。

 接待交際費が削られると世の男達が萎む。大半の男達は、これまで会社のお金で飲み食いしてきたから。レストランで領収書をもらう人達。

 飲食代は接待交際費、宿代は旅費交通費。

 そして経費を積極的に立て替え払いして貯めたマイレージで家族を旅行に連れて行く的な。

 ソレができなくなると途端に男達がショボく見え、女性達も期待しなくなる。

 男達が萎む分には別に構わない。身の丈に落ち着くだけだから。マイレージが貯まらず家族サービスできなくなっても、それが本人の実力だから。問題は女性達の人生経験も萎む点。

 男達が(地位によって)会社の経費を使って女性を囲ったり、後輩を食事に連れていったりしていた分、その時代の女性達は自らの所得以上の体験が出来ていた。加齢臭(笑)やセクハラ、鬱陶しい話を聞かされることを我慢しさえすれば。しかしそれがなくっただけでなく、世の男達が「男女平等」を盾に(?)何でもかんでも割り勘で女性にお金をかけなくなってきているので(離婚率の高まりも影響しているだろう)、女性は自身の所得相応の経験しかできなくなりつつある。

 するとどうなるか。

 男女の賃金格差や出世に格差がある限り、女性は男性と対等の人生経験が得られなくなり、学ぶ環境で劣ってしまう。

 所得はローン(買い物に限らず医療費や学費などもある)を組む時の信用に限らず、海外に移住したり(生活費の証明)、身元引受人(いわゆる保証人)になる時などにも関わってくる。所得が低いと「保証」ができないから役に立たない。すなわち必要な時に責任を果たせない。

 人生経験という面では車や家を買ったりもそうだし、ワインを学んだり海外旅行に行ったり、レストランやホテル、スパ、ブランドブティックなど、ちょっと高級な世界を覗いてみたり。或いは冠婚葬祭に応じた服を揃えマナーを学んだり。

 かつ資格を取ったり習い事をしたりなどもそう。所得が同じでない限り、できること=選択肢が減る。

 それでも男達と対等に競争(勉強)していこうとすると、自分の懐を痛めることになるので、生活が逼迫する。精神的負担から目標を下げてしまう人も少なくない。

 だから今の「男女割り勘」は公平ではない。

 男女の所得格差がなくなり、出世の機会や可能性が平等にならない限り。

 これは「何で男女平等の時代に、男が女性に席を譲らなきゃいけないんだ」論争と同じ。身体能力や体力に差があり決して“同じ”じゃない。

 以前も書いたが、もし「何で男が女性の分を負担しなきゃいけないんだ」が真なら、「何で高所得者が沢山(高い税率で)税金を払わなきゃいけないんだよ」が成立する。

 世の中とは、社会的に恵まれた環境にある側がそうでない側の負担をするように作られている。少なくとも現在はそういう社会で生きている。我々は。