アンダルシアに憧れて(?)。

 いいえ(笑)。

 よく喋るホテルスパのセラピストと会話が弾み(というより彼女が一方的にハイテンションで)、なぜか食後のブランデー+葉巻の話になった。

 若いのに珍しくお酒に詳しいのでなぜかと尋ねてみると「少しだけ飲食店でアルバイトをしていたことがありまして」らしい。

 「ブランデーと葉巻が好き」と言うと、驚いたことに(私が到着した時の服装に触れつつ)「葉巻吸われるんですね!もしかしてボルサリーノとか被られるんですか?」と来たので、「最近は被る機会がなくなったものの5個持ってますよ」と言うと、「えーステキぃーっ!ニコラシカって知ってますか?」という衝撃の展開。

 私「はい、私が人生でイチバン飲んだお酒(飲み方)です」と答えたその時。

 セラピスト「やっぱりBGMはアンダルシアに憧れてですよね💕」

 私「えっ?💧」

 セラピスト「マッチの💕」

 私「えっ?💦」

 世代が逆転した感じ(笑)。

 20代半ばの女性から「マッチ」が出てくるとは思わなかった(笑)。

 邦楽をほとんど知らない私。

 家に帰ってアンダルシアに憧れてを聞いてみると、ギャングの抗争しかも鉄砲玉すなわちチンピラ(下っ端)目線の歌詞じゃないか(笑)。

 この曲でブランデーと葉巻は楽しめない。絵面的に高みの見物になってしまうから(笑)。

 下手に感情移入せず、よくわかってないヒトの方が楽しめるのかもしれない。

 何かあったらすぐ駆けつけなきゃいけないチンピラを描く際、そもそもブランデーのようなスローなお酒が合わないし、葉巻に火を灯した時点で1時間半、2時間はゆっくりすることが確定するので、さぁ出かけようかというときに電話に呼び止められたこの歌詞には合わない。まぁ「つけたてのロブスト投げ捨て♪」みたいな歌詞もありと言えばありだが無理矢理感がある。ブランデー+葉巻はボス側のシーン。青ざめてない時の(笑)。

 飲み方がニコラシカ(ショット)なら確かに合わなくもないが、私がこの歌詞の主人公ならグランパトロン(テキーラ)を飲む。

 歌詞自体は見事なまでに昔のギャング映画を再現しているが、だったらスペイン(アンダルシア)よりもシチリアやナポリとカンツォーネにした方がストレートな印象がある。

 それでもよく出来ている。

 夜8時半に港の倉庫で決着は早いが(笑)。今で言うとゲートブリッジの麓でも明るい(笑)。当時ならドリフが始まってすぐくらい(笑)。

 歌詞にブランデーも葉巻も出てこないのに、「ボルサリーノ」というキーワードからニコラシカが結びつけられ、ブランデー+葉巻+ボルサリーノにこの曲を合わせてきたセラピストの感性とのズレ具合、雑誌LEONが出てきそうな気配(笑)で参った。

 コートの上から上着を着せようとする美容師よりは大人なのかもしれないが、私には難しい人だった(笑)。

 日本人はマフィアとちょいワルしか選択肢がないようで、麻生太郎副総裁のファッションはマフィア、カジュアル版がちょいワルと確定している感じ。すなわち情報源は映画か雑誌か。

 私はコンチネンタルのフォーマル寄り。上着(+ベストかカマーバンド)とネクタイなしで女性と食事をしない堅物(笑)。

 その週の土曜日の朝方、このアンダルシアに憧れてが耳にこびりついていて(笑)、知人女性にこの曲についてどう思うか尋ねてみたところ「(あなたにこの曲は)ナイ」とはっきりダメ出し(笑)。

 で、ブランデーと葉巻に合わせるならと選んだ3曲。

 1: Beautiful Love 女性はペタンコ靴(バレリーナ)でチークを踊るのも可憐で良い。

2:The Windmills of your mind この曲は欠かせない。

3: Only My Self To Blame(笑) 定番化している。

番外編:I Put a Spell on You この声をバックに私から3分見つめられたら燃えて消滅するか宙に浮く自信があると言った人がいる(笑)。カッパーフィールドか私は(笑)。