「noteユーザーのIPアドレスが漏えい、運営会社が謝罪 有名人のIPアドレスと一致する5ちゃんねる投稿が検索される事態に - ITmedia NEWS」

 データベースに列を追加したんだろうか(笑)。そうすると読み出し時に1個づつズレて本来非公開の値が表示されてみたりする。

 私はnoteもSNSも使わなければ余所に投稿はしないし、ブログも公表しているものしかないので何ら関係ないどころか、むしろこういう事故が起きることでインターネットとは完全な匿名性は保証されていないことを世間が知る機会となってイイんじゃないかと思ってみたりする。

 一応技術的なことを話すと、「一般的なIPアドレスから、個人情報を特定することはできません」は間違ってはいないが、テキトーでもある。

 携帯電話会社の回線やプロバイダの一般回線(DHCPによる動的割り当て)を利用している場合は確かにその通り。

 が、固定IPアドレスサービスを契約している人は、場合によっては(IPアドレス8個以上持っているとか)WHOISで契約者の名前も住所も出てくる。

 特に会社のIPアドレスが固定で8個以上というところは決して少なくない。その場合はWHOISで契約法人名と住所が出てくる。変な書き込みなんかしていると、「株式会社●●の社員が〜」という騒ぎになりかねない。

 もう1つの問題はマンションLAN。たまにFQDNが xxx.nantoka-tower-tokyo.ne.jp と言った具合にマンション名が入っている場合がある。この場合は住まいがバレる。もちろん部屋番号までは解らないが。例え表示がIPアドレスでも変換すればFQDNがわかる。

 ※タワーマンションのように居住者数が多いマンションのLANでアクセスすると、IPアドレスでセッション管理しているようなショボいサービスは問題が生じることがある。

 意識高い系のマンションならFQDNにマンション名を入れたりはしないが、同じマンションに住む人なら自マンションのIPアドレスを知っているから、有名人のIPアドレスなどが自分と同じなら同じマンションに住んでいる(或いは出入りしている)ことが特定されてしまう。

 「(同じ)IPアドレスを利用して他のサイトにアクセスした履歴が本人だと断定することはできない」も確かにそうだが、マンションが特定された場合は「そのマンションの誰か」という騒ぎになりマンションに迷惑をかけるし、法人などの団体の場合も同じ。いわゆる風評被害。

 プロバイダのDHCPによる動的割り当てのIPアドレスを使っていても、毎回IPアドレスが変わるわけではない。例えば今日noteに投稿する。明日どこかのIPアドレスが表示される掲示板に誹謗中傷の投稿をする。明後日noteに投稿する。この3つのIPアドレスが一致していれば、誹謗中傷投稿も極めて高い確率で同一人物(或いは同居人)であると言える。

 DHCPによる割り当ては動的だが、例えば私がこれまで使った4つのプロバイダでは、数週間IPアドレスが変わらないことがよくあった。大手の場合保有するIPアドレス帯域が広いため、一度変わった後また同じIPアドレスが割り振られることはナイというくらいナイので、3回以上IPアドレスが一致すればほぼ同一人物(或いは同居人)だろう。

 だから本来は大問題

 どうしても気になる人は、一度ルーターの電源を切って1分くらい待ってから電源を入れたらIPアドレスが変わるので試していただきたい(DHCPの動的割り当ての場合)。

 ※マンションLANの場合はグローバルIPアドレスが1つで、これを自分の意志で変えることはできない。