「性別欄のない履歴書、コクヨが発売へ 当事者の要望受け:朝日新聞デジタル」

 言いたくない側が言わなくて良い環境を作ったとしても、知りたい側が知らなくて良いと思うかどうかは別なので、何かが解決される気がしない。

 例えば、女性と書いただけで書類選考時点で落ちるという会社の場合、この会社が考え方を変えない限り、いずれにせよ面接で顔を見た瞬間に落ちる。時間を無駄にする。

 こういう会社は女性を雇わないと決めているのだから、性別欄のない履歴書が送られてきた場合おそらく検討もしない。

 同じように、婦人下着販売やレディースエステなどの現場で、男性は雇わないと決まっている場合、性別欄のない履歴書は初めから対象外となるだろう。

 結果的に「訳あり」感を敢えて漂わせることになる。

 トランスジェンダーの人に会ったことがないので、見た目でわかるのかわらかないのかワカラナイが、採用が決定した時には戸籍謄本や住民票を提出するので、いずれにせよ戸籍上の性別と見た目が違うことは会社に知られる。

 性別欄のない履歴書は問題を先送りしているように感じる。

 隠すことが目的なわけではなく、戸籍上の性別を答えなければならないことが苦痛だという理由ならば、男性・女性・男性→女性・女性→男性とありのままの欄を設ける方がいいんじゃないか。

 パスポートにしても何にしても性別欄が存在する限り、不整合が生じないようにした方が良い。