「マスク氏やベゾス氏ら米大富豪が所得税「節税」、ゼロの年も 調査報道 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News」

 役員報酬(サラリーマンで言うところの給与)を受け取らなかっただけじゃないのか。スティーブ・ジョブズも年1ドルに設定していた時期がある。

 プロパブリカは、「(米大富豪の一部は)膨大な富を持っているにもかかわらず、所得税をほとんど納めていない。まったく納めないこともある」と指摘した。

 莫大な資産がある=所得税がかかるではない。ニューヨーク全土の土地を所有していようと、ビルを3万棟持っていようと所得税はかからず、かかるのは固定資産税。仮に役員報酬(給与)がゼロで他に収入がなければ当該年度は所得ゼロ(=所得税もゼロ)。

 報酬をストックオプションで受け取った場合は、権利を行使したときに課税対象となるので、何もしなかった年は税金は発生しない。

 役員報酬とは業績に応じて設定されるものなので、絶好調だったときに100億円受け取り、例えばその後5年間は報酬ゼロということもあり得る。

 また創業者や経営者とは創業時や資金繰りが悪化した際に個人のお金を会社に貸すことがあるので、役員報酬をゼロにし、会社からの返済で生活している場合もある。貸したお金を返してもらうだけなら所得にはならず、利息を取った場合にのみ利息に対して課税されるので、過去に累計100億円貸して利息ゼロで今年全額返してもらっても所得税はかからない。

 だから役員報酬や株・不動産の売り買い、貸付金に対する利息など、全ての内訳を照らし合わせないことには何もわからず、もしかするとまるで節税していない可能性もある。