4回目の緊急事態宣言とワクチン接種推移の考察。

 一昨日まで1日140万回くらいのペースが続いていたワクチン接種数が、昨日と今日更新分のデータから突然1日200〜250万回と倍増した

 突然接種数が2倍になったとは思えず、これまでも過去の日付に事後的に上積みされていたように(グラフは上積み後のもの)、遅れて報告される分が1日20万件以上あった。

 ではその遅れて報告されていた分が急に5倍になったのかということだが、「国が出荷済みのどこかにあるはずの4,500万回分」の行方捜しが始まって、責任を追及されたくない自治体や病院が慌てて報告を上げ始めたと推察する。

 自治体が言う「足りない」んじゃなく、タダ単に管理がザルということになると、何でも「国のせい」から矛先が変わるから。だから本当に足りないことを証明するためにも、接種済み数と在庫の管理を徹底するようになる。

 既に7,000〜9,000万回接種済みの可能性があり(ということは速ければ08月上旬には集団免疫を獲得することになる)、私個人としては4回目の緊急事態宣言はいらなかったんじゃないかというのが正直な感想。もちろん政治は博打じゃダメなんだが。

 日本人の場合、2回目を接種しないということはほとんどないだろうし、接種完了後もマスク着用を続けるだろうことから、他国のように接種後全解放と違って最大限のワクチン効果が得られるだろう。

 私が政治家なら、ただでさえ効果が薄れてきている4回目の緊急事態宣言を出すよりも、「このままでは4回目の緊急事態宣言が必要になりそうな状況にあり、国民の皆さん、どうか月末までお出かけは辛抱してください」と訴える方が効果的だったんじゃないかと考える。結局のところ緊急事態宣言に至るか否か(感染が拡がるか否か)は政治家ではなく国民の行動によるものだから。

 突然「4回目の緊急事態宣言」と告げられても「またかよ」となってしまい、わざとでも言うことを聞かない人が出てくるのに対し、「緊急事態宣言を出さなきゃいけなくなりそうな状況」と言われたら、「じゃもう少し我慢するか」と任意協力が得られる確率が高まるんじゃなかろうか。

 要は緊急事態宣言の要請に応じるか応じないかの2択と、また緊急事態宣言が出るくらいなら自粛するかの選択とでは気分が違うだろうから。

 医者にも政治家にもコミュニケーション能力が求められるところ。しかし日本型のエリートとはソレがイチバン足りないので、職務そのものの能力よりもソコが足かせになっているように見える。

 「全体とは部分の総和以上の何かである」(ホーリズム)の通り。

 上手く測定するのは難しいが、「何となく重要」の集まりが全体の多くを占める的な。