コロナウイルスと二酸化炭素。

 昨日、あるところで支払いをしている最中、60才くらいのおばさんが入ってきてスタッフと緊急事態宣言や(新型)コロナウイルスの話をしだした。

 最後に「コロナは二酸化炭素が好きだからねー」と言いながら帰って行った。

 二酸化炭素めがけて寄ってくるのは(笑)。

 多分だが、感染予防策として「二酸化炭素濃度を測定し」という言葉が良く出てくるから、コロナウイルスは二酸化炭素が好きだと勘違いしたんだろう。

 二酸化炭素濃度を測定する理由は、換気が悪く空気(特に呼気)が滞留していないかを調べることが目的であり、二酸化炭素にウイルスが寄ってくるわけじゃない。

 人(感染者)がウイルスを吐き出すので、呼気(二酸化炭素)が滞留していれば感染率が高まるということであり、二酸化炭素濃度は換気の頻度または効率(設計)の見直しの指標となる。

 換気の設計には吸気と排気のバランスが必要であり、排気(外に出す)量ばかり上げると室内から空気がなくなってしまうし、外から引くタイプのドア(マンションの玄関など)が開かなくなる。そのため排気量に応じて吸気(外から取り入れる)量を調整する必要があり、単純に換気扇のモーターをハイパワーなものに交換すれば済むというわけではない。

 これらは喫煙所やシガールームの設計の際にも重要だし、大声で喋る(それだけ二酸化炭素量が増えるから)酒場などの設計でも極めて重要な要素であり、感染予防対策に限らず、換気が悪いと頭痛やめまいの原因となり、最終的にはサービス業において真のおもてなし(客を招くということ)とはどういうことかにつながる。

 タバコや葉巻を吸って服が臭くなるバーとは換気が悪い。頭上側に空気が流れ排出され、常に新しい空気と入れ替わる設計であれば、服にはほとんどニオイは移らない。

 快適な空間作りとは奥が深く、なおかつ頭が悪いと対応が難しい複雑な時代になってきている。

 ということから、いずれアップルなどのテクノロジー企業が店舗設計をする時代になるんじゃなかろうか。