「物流まひ、ロシア痛撃 コンテナ海路の大半が欧州で遮断: 日本経済新聞」

 この10数年、ロシアはアジア諸国に欧州向け貨物のシベリア鉄道による大陸横断輸送を売り込んでいた。海上輸送よりも1ヶ月以上早いのが売り。

 かつては日本製品が8割9割を占めていたそうだが、今では中国が取って代わった。

 その中国も、一応友好国としてロシアに寄り添いたくても、北京からシベリア鉄道に載せてという貿易はなくなるかもしれない。ロシアから出てくる貨物は全部止められるから。ベラルーシ以外。ロシア国内での消費分のみの輸送に限られるだろう。

 ここまで西側が制裁に加えロシア断絶に向かうとは思ってなかったんじゃないだろうか。中国は。

 日本一ロシア人(比率?)が多いと言われる富山県も、日本の中古車をウラジオストックへ運ぶ業者が多く、この状況が長く続けば顔ぶれも変わるだろうし、日本も中古車が売れなくなり無傷ではない。

 ロシアは今海外から何も入ってこない状況で、ロシアで事業を展開するいくつかの日本企業からも、商品を持ち込めず困っていると聞いている。

 ロシア国民にとって深刻なところでは乳児用粉ミルクの9割以上が輸入だったらしく、現地ではどうやって子供を育てるのかという危機に直面している。

 経済制裁を前提に、「西側との貿易が断たれても大半のものは他の国から賄える」(他の国とは大方中国を指す)という考えを示していたプーチン大統領だが、粉ミルクに関しては中国産を嫌ってロシア国民から「人道支援を」と声が上がりそうな気がする。

 ロシア国民が「今ロシアは大変なことになっている」と国際社会に訴え始めることによって、プーチン大統領の「全ては予定通り順調」は通用しなくなることを意味する。

 独裁政権に対する経済制裁とはそれも主たる狙いの1つだと思うが、プーチン政権崩壊後なのか最終的には西側諸国が支援しなきゃいけなくなるんだろう。

 その場合、IMFを通じて財政支援し、親NATO政権下に置かれるだろうことは言うまでもなく、究極的にはロシアは3分割される方向ではないかと昔から思っている。

 ロシア〜サンクトペテルブルクエリア、シベリア(中央)、極東エリアの3つ。

 大陸が大きすぎて、飛行ルートも含め有事の際に世界に与える影響も大きすぎるという理由で。

 西側理論とはそういう感じ。

 ロシア国内でも実際のところシベリアから極東側は、モスクワの影響を受けたくない独立派も多い印象がある。

 世界が大きく変わろうとしている。