靴の巨大化も終わりか。

 何年も続いていた靴の巨大化も、ようやくこの秋冬で収束感がある。

 春夏のコレクションが出た時点ではまだまだ続くのかという気配だったので、いくつかのブランドスタッフに見解を尋ねてみたところ「もうしばらく続きそうです」とのことだった。

 が、見た感じでは秋冬はそうでもないのでやっと終わりっぽい。巨大な靴は好きじゃない。

 同時にバッグの極小化も終わったのかなという印象がある。

 出始めの頃は「今はスマホさえ入れば良いという方も多く」という説明だったが、iPhone Pro Maxが入らない(長財布は当然入らない)ものが出てきて、終いにはクレジットカード類しか入らず、いよいよ何を入れるのかワカラナイサイズまで極小化し、まともなスタッフは無理矢理売りつけようとせず「本当に何も入りません(笑)」と言うようになっていた。

 これだけ「持続可能な社会へ」と合理性が求められ、その言葉そのものが若者のファッショントレンド化している時代に、意味もなく巨大な靴や、何も入らないバッグはどこかズレていると私は感じる。

 いっそ極めて機能的な透明バッグでも出し、インナーバッグの色とデザインを充実させてくれる方が良い。そうすれば服に合わせていつでもデザインを変えられるし、他社も参入できる。テクノロジー業界で言うサードパーティー製の「互換製品」の考え方。

 ブランド側はデザインをしないのかというとそうではない。形状と素材そしてロゴ勝負。柄勝負よりはるかに難しいが、究極的で今の時代に合う。

 が、その領域になるとアップルの方が強いのかなとも思う。

 いずれアップルとヴィトングループが競合するのか共存するのかという時代か。