Yahoo!ショッピングのポイントから見る今後のビジネスモデル。

 下記のお知らせが出ていたので目を通してみた。

 Yahoo!プレミアム会員への配分を減らし、ソフトバンクユーザーへの配分を増やしている。

 以前はソフトバンク会員:Yahoo!プレミアム会員:Tポイントの比率は5:4:1だったが、今日からは12:2:1となった。

 それ自体何ら問題ないどころか当然の流れだと言える。

 携帯電話事業で稼いだお金をYahoo!ショッピングのポイント還元に充てる(または送料無料の実現への補助金に充てる)という本業→副業貢ぎ(笑)モデル。親子扶養モデルと呼んでもいいんだが。

 そうでもしないとモールの価値(魅力)を上げられないことに気付いた楽天も、楽天モバイルを立ち上げこのモデルを実現しようと試みている。

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結局のところ、店舗側は有名になってしまえばモールに所属している必要がないので、モールを必要とする店舗=集客を期待している人達であり、モール側は客寄せのアクションを継続的に行わなければ退店を招き自分が儲からないから“やるしかない”構造下にある。すなわち扶養・貢ぎモデル。
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 スマートフォンからの注文比率が増え、スマートフォンの電子決済市場が盛り上がってくると、ショッピングモール+電話事業と考えるのは自然な流れだ。

 昔のように、「商品を売って代金を得る。仕入れ価格との差額が儲け」という単純明快なビジネスモデルではなくなってきている。

 もちろん今に始まったことではなく、ソニーもプレイステーションを原価以下で売って、ハードウェアを普及させたらソフトウェアで儲けられるというモデルを用いた。これはスケールメリットを見込んだスタイルだが、本業→副業貢ぎモデルはそれ以上に外部から収益構造がわかりにくい。

 今後一見どうやって儲けているのかわからないビジネスモデルが増えるだろう。

 楽天市場やYahoo!ショッピングの場合はモールなので、出店店舗自体は古典的な物販業だが、例えばアマゾンがこういったモデルを用いると、どう考えてもその値段で販売できるのおかしいよねということが生じ得る。

 ※例えばAWSの収益をアマゾンの値引き財源に充てるとか。

 消費者はメーカー卸し値を知らないので「相当安くで入ってるんだろう」くらいにしか思わないかもしれないが、究極的にはメーカーの卸し担当者が見て「アマゾンさん、うちの卸し値より安くで売ってますよ」みたいなことも起こり得る(できなくはない)ということ。

 こういう事象を目の当たりにした際、思考力がないと「あり得ない、偽物じゃないか」「倒産品を買い漁ってるんじゃないか」「アウトレット品じゃないか」なんて方向にしか考えられなくなる。

 本来扶養・貢ぎモデルは客に感謝されてもいいくらいなんだが(笑)。

 賢い側からすれば「あり得ない」のはその単純な思考でどうやってこの時代を生きているのか(笑)であって、新しいモデルを作っていく人達というのは5年も10年も進んでいることから、世間を見渡してパッと見で収益構造や仕組みがワカラナイことが増えたら、もう時代に取り残され初めて結構日が経ったと思った方がいい。

 ソレが既に目の前に存在する場合、発案や構想、設計はその5年、10年前であり、その時点で既に発案者には「実現可能」だと思わせる社会環境が整っていたことを意味する。

 ということは更にその5年、10年前に“流れ”は始まっていたということ。

 常に風向きを感じ取るアンテナ感度の高さも賢さの一要素と言えるだろう。

 敏感な知覚。知覚過敏じゃなくて。