「夜の街」を脱税で一掃するという発想。

 いわゆる「夜の街」で感染が続いていることに対し、何とかして政府(または都知事)に「夜の街」を閉めさせたい(営業規制させたい)人達が一定数いる。

 もちろん効果はあると思うのでそれ自体何ら反対はしないんだが、特定の業種のみ閉めさせる法律がなく手をこまねいていることに痺れを切らせ、「どうせアイツらは脱税しているんだから、税務調査で引っ張ればいい」(考えつかない政府は無能だ)と主張している人達を結構な数見かけた。

 ドラマの見過ぎ(笑)。

 例えば麻薬取引の疑いがあるものの証拠がつかめず捜査令状も取れないので、まずは税務調査でも何でもいいから家または事務所の中をみたい(当たりをつけるために持ち物から<こっそり>DNAも採取したい)という時には有効な手段だ。

 しかしその時点で店を閉めさせることはできない。

 ましてや感染源となっている「夜の街」が意味するところの業種を片っ端から税務調査していると何年かかることやら。反面調査するためには、取引先が出社している必要があり負担をかける。

 税務調査とは任意であって強制捜査ではない。

 疑わしい会計処理を見つけたとしても、申告漏れの指摘に応じて納税すれば何の罪にも問われないし(延滞税はかかるが)、それよりももっと悪質な「所得隠し」として認定するには証拠固めに時間がかかる。それでも大抵は本税+重加算税の納税で終わる。

 確固たる証拠を掴んだ上で「脱税」の容疑なら強制捜査は可能だが、立件し刑事告訴するとなると終わるのはコロナウイルスが収束してしばらく経った頃。

 それでもその間店の営業はできる。

 だから「脱税で引っ張る」という発想は全くもって有効ではない。

 可能性があるとすれば食中毒で営業停止くらい。ノロウイルスの季節じゃないのでナイだろう。

 中高生の口論ならまだしも、社会人なら少しは法や制度など社会を理解した上で発言しないと恥ずかしい。それっぽいことを言ってみてるだけ同士の議論風なものは微塵も知的に見えない。

 第一にEthernetパケットの無駄(笑)。生産性低い税とかあれば日本はすぐに黒字になると思うが。