「コロナ禍、経費7兆円減 テレワークで出張・交際費絞る: 日本経済新聞」

 だからイイというほど単純でもない。

 空運や鉄道などの一部業種の収益は悪化するが

に留まらず、

20年4~12月の出張・業務による消費額(交通費や宿泊費など)は9500億円と前年同期比7割強(2兆8000億円)減った
会食の自粛も広がっている。年3兆9000億円程度あった交際費も減っている。

ということは、宿泊業や飲食業、そしてそれらの業種に納入する業者は苦しいということ。

 誰かがお金を出し渋れば、それで食べていた人達は職を失うことになる。

 企業が「出張費や会食を減らして経費を削減した」というと、「無駄を減らした。良いことだ」と称賛する人が多いが、それは宿泊業や飲食業はなくなっても構わないと言っていることに近しい。

 宿泊施設や飲食店では領収書をもらう人が多くを占め、それは必然的に会社の経費にしているということであり、それがなくなれば当然に売上は激減する。

 お金とは循環して始めて社会を動かすのであり、アレも無駄コレも無駄と出し渋るようになると、それに付随する業種は全滅する。

 これを自然淘汰だとシビアに受け止める心構えがあるならいいが、明日要らなくなるのは自分かもしれないという気持ちで考える必要がある。

 風当たりの強い目に見えるコストを削減し終わった後に手を付けるのは、生産性の低い従業員のリストラであり、これを機に機械化・自動化・無人化が進めば、いずれは「コロナ禍で人件費7割減を達成」なんてニュースが流れ、果たしてソレを「よくやった」と称賛できるのかと問うてみれば、ただ削ることが社会のためになるかというとそうではないことがわかる。