デパートの出入り口の制限は有効なのか。

 やっと中央通り側の出入り口を開放した銀座三越。土日だけの可能性もあるが、昨日1年ぶりに開いているのを見た。

 入口はサーモグラフィカメラによる体温のモニタリングや、客が消毒をしているか、マスクを付けているかなどの監視作業があるので、できるだけ人員と機材を減らすには入口の数を一箇所にまとめたいのはわかる。

 問題は(三越に限らないが)出口まで絞っているので、メイン(四丁目交差点側)の玄関付近(とそこに向かう導線)が常に密であること。

 出ていく客を監視してもしょうがないので、出口だけは全開放した方が良い。本当に感染拡大防止が目的なら。

 出口から入ろうとする客を食い止めるのに人員を割きたくないのなら、今後のことも考えていっそ自動改札機でも設置したらイイんじゃないか。と私は思う。

 最終的には、ワクチン接種済みや病院での陰性証明をアプリ管理し、駅の改札のようにスマートフォンをかざすだけで安全パスできる仕組みに。COVID-19が最後の感染症ではないので、将来のために動き始めた方が良い。

 ※松屋銀座は脚で踏む(何も触らずに済む)タイプの消毒液を導入したが、銀座三越は未だに手で押すポンプタイプ。→消毒液のポンプはエレベーターのボタンよりキタナイ。

 また、今は20時までの営業に戻ったものの、緊急事態宣言中は「感染拡大防止のため」とし19時までの時短営業だった。これもどういう仕組みで感染拡大が防止できるのか私にはワカラナイ。※レストランフロアではなく通常のフロアの話。

 デパートで買い物をする人とはデパート以外で代替がきかない。日常的に三越で買い物をしていた人が楽天やアマゾンで用は足せない(この判定を誤るとなんて勝手なことをしてくれるんだにつながるところ)。だから特に用はないけど何となくデパートをウロウロしていた人は減っても、デパートでしか買い物をしない人はそれほど減らないので、営業時間を短縮すると、面積当たりの客の数が圧縮されて密を生み出しやすくなる。

 去年の郵便局と同じ。何を勘違いしたのか営業を15時(笑)までにしたもんだから、常に局内は長蛇の列ができていた。この時短営業には、従業員を満員電車による感染リスクから守るためという意味合いもありそうだが、常に局内が混雑していては従業員にも客にもリスクが高い。

 どうしてもソコを使う必要のある客層を抱えている店舗は、むしろ営業時間を拡大した方が密防止になる場合もあり、総合的に判断する必要がある。

 ということから「従業員を守るため」と「客を守るため」と「売上減による人員削減のため」は全く目的が違うのだから、何でもかんでも「感染拡大防止のため」で済ませてしまうと、考えない従業員を量産してしまい社会のためにならない。

 例えば雨の日のデパートは「雨よけカバーをおつけしますか?」と聞いてくれるのは親切でイイんだが、ショッピングバッグ(紙袋)を上からすっぽりビニールで覆い商品を雨から守るスタッフと、外側からショッピングバッグを包み込み、上は開いていて商品は雨に濡れる(紙袋を守る)スタッフといる。残念ながら後者が半分〜6割くらいいる。

 何を守るためのカバーなのかと考えたらすぐに答えが出るんだが、考えないまま仕事をしている人が多く、考える機会を与えない職場環境にも問題がある。

 社会全体の利益を考える、所属組織の利益を考える、個人の利益を考える、そしてその落とし所を考えるという多面的・多層的思考力を養うことが社会全体の課題であり、今人類が進化を問われているところじゃなかろうか。