「1億円のタワマンを買った、世帯年収1300万円「パワーカップル」の悲惨な末路(週刊現代) | マネー現代 | 講談社」

 世帯年収1,300万円で、1億円の買い物をしちゃだめだろう。それがマンションだろうと何だろうと。

 背伸びを超えてただの「ミーハーの末路」でしかない。

 年収800万円(夫)の手取りは595万円、年収500万円(妻)の手取りは390万円。夫婦の合算手取りは985万円。

 東京でこれをパワーカップルと呼ぶ社会に生きている時点で人生観が狂ってしまう。

 東京の物価水準でパワーカップルと言えるのは、最低でも世帯年収2,000万円〜。個人的には2,500万円〜だと思っている。

 いつまでも30-40年前の基準じゃダメ。

 全期間1.260%固定のみずほ銀行35年ローンで計算すると、頭金1,000万円を差し引いた9,000万円を借り入れた場合、金利を含めた支払総額は111,345,138円。

 手取り985万円を満額返済に充てても11.3年、半分で22.6年かかる。

 前述のみずほの固定金利35年ローンで計算すると、月々の支払いは265,108円。

 「住宅ローンに管理費や修繕積立金を加えて夫婦それぞれが毎月12万円支払う程度なら十分に生活していけるし」はちょっと計算が合わず、素人が無金利で推定したっぽい。実際は1人あたり+6万円くらいじゃないか。

 手取り985万円(月82万円)の夫婦が住宅ローン265,108円/月と、管理費・修繕積立金を10万円だとすると、計36.5万円/月を支払ったら、残りの45.5万円/月で「憧れのタワマン生活」を送ることになる。35年間。余裕がなさ過ぎる。

 何かあったときのために月10万円預貯金に回し、駐車場代なんて払ったらもはやカツカツじゃないか。

 しかも20年後には現在43才の夫と39才の妻が定年退職した・する頃で、35年ローンということは現役を退いてから約15年間も支払いが続く。

 無謀どころの騒ぎではない。

 今の時代、長くても10年で払い終わるプランでないと厳しい。

 ちなみに5,000万円の家を買って、頭金1,000万円を差し引き、残り4,000万円を10年ローンで組んだ場合、前述の全期間1.260%固定金利で計算すると、月354,948円の支払い。

 ということから、世帯年収1,300万円では東京の新築タワーマンションの購入は無理だと言いたい。細かく言えば、所属する会社に信用があり、銀行ローンさえ通れば買うことはできても、住み続けることが難しい。

 見方を変えると、住宅ローンが組めて、10年以上住み続けている人というのは、銀行審査に通る仕事をしていて、なおかつ10年間安定した収入があるという証拠でもあるので、それだけで信用度が高いと言える。

 会社の経費の立て替え払いで積み上げた実績で手に入れたなんちゃって“ブラックカード”よりも社会的指標になり得ることから、私は住所も重要だとかれこれ20年程説いている。