2022年秋の逸品会に行ってきた。

 に続いて、三越開催の秋の逸品会に行ってきた。

 場所はいつも通りニューオータニ。

 より年配層向けに舵を切ったのか、春と比べて照明が強すぎ(しかもスポットライトの角度が斜めで目に突き刺さる。「西日に注意」並み(笑))、サングラスをしていても眩しい。8メートル近い天井から照らすスポットライトの熱を感じるほど強い。

 写真を撮ると、明るすぎる照明に反応してカメラが暗く撮ろうとするため、ゴールドなどの光り物は全てどす黒く写ってしまい、「後でゆっくり検討」の材料にならない。

 暗いと字が見えない50代以降とそれ以下の年齢層との混在は難しいのかなという印象を受けた。

 2日間ということもあり、会場の作りとしては先週の高島屋貴品会よりは手をかけている感があるが、客層は同じようにどこかくすんでいて垢抜けない。宿泊組が多いらしいので、遠方客がそうさせているのかもしれない。普段の銀座や日本橋と比べると、15年くらい前に戻った気になる。

 例えるなら、銀座・日本橋の目と鼻の先にある大丸東京ですれ違う率の高い東京駅新幹線客っぽい人達から受ける印象に似ている。

 女性陣も、お洒落のセンス勝負ではなく、とりあえずバーキンでシメておけば何とかなる的な人が多い。

 また各ブランドのスタッフに覇気がなく、一方で鬱陶しいほど動き回る外商員の勢いとの温度差が目立つ。

 どこもかしこも質の低下が顕著で、60才近い販売スタッフまでもが「こちらがピンクゴールドになります」「36mmになります」「フランスになります」「定番になります」と「〜になります」を連発し、それだけで買う気が失せる。いわゆるバイト敬語は、500万円、2,000万円の品を売る店舗スタッフが使う言葉じゃない。

 「●●の場合は■■になる」(「店舗に在庫のない色・サイズを希望の場合は取り寄せになる」とか)と変化する(確定していない)場合に「〜になる」のであり、もう既になっているものは「〜になります」じゃない。「どちらの国のブランドですか?」「フランスになります」とかヤメテ(笑)。アンタが入社する前からフランスの会社(ブランド)だっただろうという話。

 それが客層のくすみとのマリアージュ(笑)で2流感がブーストされる。

 お金とは、取引をする相手との双方にセンスと知性がついて来た時に最も強い力を持つものだが、センスか知性あるいはセンスも知性も足りないと、「宝くじでも当たったんですか?」という絵面になる。

 そして今回は外商員達が邪魔に感じるシーンが多かった。各ブランドスタッフとショーケース越しに話し込んでいて、私としてはそこにあるジュエリーが見たいんだが、的な。話に夢中で横や後ろに気が回らない過集中系。「また後で来るか」と思ってそのまま忘れて帰る感じ(笑)。

 まぁ、営業職というのはまずは自分の売上だからしょうがない。

 が、コロナ後遺症またはコロナ鬱で認知機能が低下しているのか、この2年で特にそういう人が増えた。

 ダイヤモンドの美しさはやっぱりグラフ。頭2つ以上飛び抜けている。相対的に安い。そしてエムアイポイント対象と聞いて驚いた(笑)。問題はオモチャみたいなエムアイカード。タカシマヤプラチナデビットのように、デビット化した方が良い。切れるか切れないかを三越に委ねたくない。

 目を惹いたのは、ランゲの非常に知的でエレガントな時計(その中の1点)。約600万円。パッと見で数学的な(いわゆる黄金比系)デザインだとわかり、感性によるファッショナブルなデザインとは全く異なる系統。理系向き。これまで全く興味を持ったことがなかったので、脳が刺激を受けた。

 ハリーウインストンのフルダイヤの婦人物時計も上品な美しさが魅力的だったが、ビニールシール付きで展示されていたので、ダイヤの輝きは堪能できなかった。約1,300万円。

 フレッドは昔から好き。定番だがピンクゴールドのケーブルデザインがイイ。

 オメガにとても美しい赤い文字盤の時計が飾られていたが、営業能力・コミュニケーション能力ゼロというスタッフに当たり、苦痛のあまりその場を去ることしか頭になかった。

 あとは通常の市販品だがルブタンのバッグ(笑)。3色揃えたくなるほど好き。

 時計のトレンドとしては、女性は大きめを、男性はやや小さめをという流れ。ジェンダーレス時代は中央に寄ってくることは想像に難くなく、古典的な男性物のドカッとした時計やバッグが昔から好きじゃない私にとっては選択肢が拡がっている。

 というわけで、もう逸品会はいかないだろう予定(笑)。

 会場の花が綺麗だった。下記の写真はかなり照度を下げて撮ってみたが、そうすると黒が締まりすぎてコントラストの強い絵になった。濃い影から照明の強さ伝わるだろう。