若い女性との会話。

 かれこれ20年、ホテルスパでアロマトリートメントを受けるのが好きで、途中AEAJのインストラクターの資格までとった(笑)。何も活動してないが。

 コロナ明けということもあり、最近また受けるようになったんだが、セラピストが喋る喋る(笑)。喋りまくって120分終わる(笑)。ほぼマシンガントーク。

 最初はホテルによくあるバカ丁寧な接客でめんどくささが際立つんだが、ちょっと話をするとノッてきて、そして“相談”が始まりそのまま止まらず時間切れで終わる(笑)。

 で私はセラピストの指名をしないので、次はまた別のセラピストにあたり、何か最初から前のめりな雰囲気で始まったかと思うと、前回のセラピストから私に相談して「楽になった」「希望が持てた」と聞いたらしく、そのまま本人が話したいことをノンストップで喋り続ける流れ(笑)。

 皆20代中盤〜後半くらいの女性だが、彷徨える子羊的な。

  2人目以降は、今日何の相談をするか予め考えをまとめて来たんだなというのがわかる喋り出し(笑)。

 それ自体はいい。いい歳したおっさんが若い女性から相談の1つや2つ受けないようでは、人生の薄っぺらさを後悔しても手遅れな時。

 よって歓迎すべきこと。

 そして最後の1人は「癒されにいらっしゃってるところ、こちらがお話を聞いていただいて、私の方がお支払いしなきゃいけないですね(笑)」と言ってきたので、「マッサージ代がタダになるならまた来ますね(笑)」と言って笑いつつもそれ以来行ってない(笑)。

 私自身、普段日本人女性との接点がないので、たまに話すとイマドキの日本人女性はこういうことを悩んでいるのかと勉強にはなるんだが、3人も話せばだいたいパターンが決まってくるので、それ以上はいらない。

 階層化された社会の問題。

 結局6人話した(トリートメントを受けた)んだが(笑)。

 同じ職場の人達は、その会社が定める基準で採用されているので、偏差値(学力に限らず)的に似たり寄ったり。所得も同じなので必然的に生活水準も同じだから、悩む内容も似通ってくる。

 サービス業は全体的に給与や出世の天井が低いため、家賃が高くて困ってる人と、家を買うか、車を買うか、海外に移住するかを悩んでいる人達が混在する多様性に富んだ環境ではない。そのくらい幅広い人達に囲まれていれば誰かが解決策を提示してくれるもんなんだが、あまりにも偏っていて小さくまとまっている。

 下手すると、先輩や上司も含め、職場全体場合によっては業界全体が将来性について不安を持っていたりする。当然にそれが若手に伝染する。

 更には“階層”(統計で言う階級)を超えた付き合いがほとんどないため、そのワンパターン化された悩みを解消できる相談相手が身近にいないことから、皆が揃って同じ事を悩み続け、ますます思考の癖さえも似てくるという循環にある。

 昔から、大卒と中高卒がバーで一緒に呑んでるシーンを見かけないのもその1つ。所得が違えば食べるものも飲むお酒も違うので、必然的に行く(行ける)お店も違ってくる。

 そして極めつけは多様性に揉まれていない日本人特有の思考パターンによって、話の展開やなぜそう思ったのか(きっかけ)、その時どう感じたのかの表現まで同じ。

 多分同僚が不安に思ってることを聞き、自分まで「確かに」と同じ悩みを持つという流れだろう。

 若い女性達が話しやすいとか、相談したいと思ってくれるのは嬉しいんだが、私としてはお金払ってまで何度も聞きたい話かというとそうではない(笑)。

 で次はどこへ行こうかと検討していたところ「おコース」に見舞われ(笑)、地面に膝をついているところ(笑)。

 もちろんスパを変えてもホテルを変えても、業界全体が同じ水準にあるので話の内容は同じ。

 そんな具合で、飲食業や美容部員やいろんな業界で会話を楽しみつつ“今”をヒアリングをする私だが、オモシロイことに美容師はパパ活の話題が多いのに対し、ホテルスパ業界はパパ活の話がほとんどナイ。

 職場の厳しさや統制のレベルもあるんだと思うが、年代は同じでも全くタイプが異なる点が興味深い。