三越逸品会↓、伊勢丹丹青会↑。

 毎年春と秋は、三越の逸品会と伊勢丹の丹青会に興味を持った(検索キーワード経由)アクセスが増える。記事ランキングでも一気に該当記事が上がる。

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 グーグルで、あるキーワードについて検索した際、検索上位に自分の記事があるか否かでもアクセス数は大きく変わるので、一概に検索キーワード経由のアクセス数で話題性は測れない。自分が普段そのキーワードについて多く触れているだけ(=検索でひっかかりやすい)とということもよくあり、自分のテーマが世間でも話題であるという認知バイアスに陥りやすい。
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 それが今年は途端に逸品会は忘れ去られたかのように人気がない。SNSを検索してみたが投稿が少なく盛り上がりに乏しい。

 一方で丹青会はいつも以上に関連投稿が多くアクセスも多い。

 常に関心の多くは「どうすれば呼ばれるか」という招待状の手に入れ方についてだが、この変化はエルメスの存在がいちばんの要因な気がしている。

 エルメスは逸品会には出展していないので、わざわざ招待状を手に入れてニューオータニまで行って「エルメスは本当に出店してない」ことを確認してもしょうがない。

 一方丹青会(初日)は伊勢丹を締め切って開催するので、テナントのエルメスも(シャネルもロレックスも全部)当然に営業していることから、何か出るんじゃないかと期待するんだろう。

 いずれにせよエルメスは丹青会だろうと平日だろうと売れるので、伊勢丹の売上面から見れば取るに足らないところだが、話題性を保つという点においては、未だブティック側に出展負担を強いる従来のホテル開催型を続けている三越の逸品会に対し、コロナを機に脱却した(以前は丹青会もニューオータニで開催していた)伊勢丹の戦略勝ちなのかなと思う。

 戦略というほどではないか。合理的な時代に対する適応といった方が良いか。

 丹青会の招待状にはわざわざエルメスについての記載がある。丹青会初日のエルメスは入場も抽選。この日絶対に何も出ないとは言わないが、三越の逸品会(350周年)、高島屋の貴品会、薔薇の会にも全く付き合わないエルメス・ジャポンのドライっぷりを見ていると、伊勢丹の丹青会のために何か用意するという性格(笑)ではなさそうな気がしている。

 もし丹青会では何か特別な物を出すのであれば、それは出展・遠征型の外商イベントはタダ単に「コストに見合わない」と見なされているということになるので、今後他のブランドも追随する可能性が十二分にある。

 昔はニューオータニや帝国ホテルで「特別感」を演出できたかもしれないが、今となっては昭和の香り(笑)しかしない。

 それでも昨年の逸品会の売上は過去最高今年の春はそれを上回ったようなので、三越側は続けてきて良かった、今までやってきたことは間違ってなかったとむしろ確信する方向かもしれないが、私は個人的にそろそろ丹青会スタイルに切り替えていい頃合いじゃないかと感じている。