「家賃高騰で追い出され…カナダで路上生活者が急増 写真10枚 国際ニュース:AFPBB News」

 このままいくと3年後の東京もそうなるかもしれない。

 円安が(資源高を通じて)物価高に拍車をかけるので、為替次第ではもっと早くその時が訪れる可能性がある。

 共用部分の照明やエアコン等だけでも結構電気を食うので、電気代が上がるだけでもマンションの維持コストが上がり、共益費・管理費が値上がりする。※人口が減ると住人が減り、分母が減ることで更に値上がりする。

 賃貸の場合、それを賃料に上積みするので、所得が決まったサラリーマンは今まで住めていたエリアでも家賃が高くなり郊外に移る人が増える。

 満額交通費が支給されるなら通勤時間さえ我慢すれば済むところだが、皆が職場から離れたエリアに住み始めると、企業側は交通費負担増が重荷となって給与を上げなくなる。

 給与は上げられないが交通費ならいくらでも払えるはずがなく、従業員1人あたりに支払えるコスト上限が先に決まっているので、「家賃が安いところに済めばいい」と簡単に解決する問題じゃない。

 遠くに住む従業員の電車の時間に合わせて営業するしかなくなると、繁華街は夜の切り上げが早くなる。その結果、テナント家賃に対する稼働率が低下するため、低所得層の多くを占めるサービス業従事者らはまた何かが削られるという悪循環が生じる。

 だったらいっそ終電前に出勤、始発後に帰宅という24時間営業を検討する店舗も増えるかもしれないが、それで成り立つのは24時間客が集まるような人気エリアのみ。

 そうなれば当然に都心にアクセスの良い住まいに人気が集中するため、そうでない物件の過疎化が進み、人気がない上に高い(割高)という捻れが生じ、廃墟が増える。すると治安が悪化し、ますます街から人が出ていく。

 ということから都心一極集中(それも極めて局所的な)は更に進むと予想する。

 「職場から離れたところに住む」は会社側にとってマイナスしかないので、交通費を多く払うくらいなら給与を上げる(またはその分家賃負担をする)方がイイ。

 問題は大衆向けのサービス業などは利幅が限られている分、物価高で赤字化する可能性もあり、賃金を上げる余裕もなければ交通費負担増も受け入れられないという業種。

 「帰って寝るだけだし家いらない」という若手従業員が増えて、寝るだけスペースを提供する新業種が出てくるか、「そこまでして働かなくていい」と転々とする若者が増えるのか。

 日本も路上生活者が増える可能性は十分にある。