アマゾンから届いた段ボールが濡れて崩壊寸前。環境問題を再考する。

 台風10号は東京には来なかったものの、雨が強く、アマゾンから届いた段ボールが濡れて崩壊寸前だった。

 いつもならインターホンを鳴らさずに玄関前(内廊下なのでマンションに入ってしまえば一切雨には濡れない)に置き配で完了のところ、若い配達員がモニタ越しに「すみません、ちょっと確認していただきたいんですが」と言うので玄関を開けると、中の商品が飛び出す寸前の状態だった。

 「雨に濡れてこんなになっちゃいました」と配達員が不安そうにしていたので「すぐに中を確認するのでちょっと待っててくださいね」と目の前で全商品取りだし一緒に確認したところ、商品は無事だった。

 そのまま「大丈夫です。問題ありません」と伝え終了した。

 なぜ商品が無事だったかというと、時代遅れかつ時代錯誤かもしれない日本のバカ丁寧なビニール包装、セロファンシュリンクのおかげ。

 注文した全て(合計約5万円相当)の商品が個別に包装されていたので、雨に濡れても・湿っても何ら影響がなかった。

 最近はプラスチックを無くそうと商品の個別包装をしないメーカーも増えたが、雨が多く多湿の日本ではダンボールは簡単に崩れてしまうので、今回のようなケースで返品→廃棄処分が増える可能性がある。

 似たようなことをエルメスのバーキンの雨カバー廃止の時にも書いた。

 アマゾンも2年前くらいからだろうか、テープから緩衝材まで全ての梱包資材を紙製に切り替えた。

 マイクロプラスチックによる環境汚染は深刻だが、プラスチックを減らしたら商品の廃棄処分が増えたでは本末転倒。問題が移動しただけ。

 アメリカのアマゾンでは2021年に返品率20%に達したらしく、アマゾンに限らず全米では年間26万トンが返品され、焼却処分に1600万トンのCO2が排出されているという。

 返品の理由は人それぞれだと思うが、私は基本的に返品しない。ほとんどの場合再利用されず廃棄処分されるため、だったら買い取るという考え方。

 これらの「問題の移動」はEV車のソレと似ている。走行中の排ガス量が減る(なくなる)代わりに、EV車のバッテリーを製造する際にそれを越えるCO2が排出されるという問題。

 ヒトは自分の目の前から問題がなくなると、「少なくとも自分はちゃんとしている」と精神的に満足してしまう傾向がある。下手な片付けと同じで、自分から余計な物が見えなくなれば掃除完了的な。

 もちろん、だからといって今更ビニールやセロファンなどプラスチック回帰しようとは言わない。せっかく環境問題に取り組む中、後退する必要はない。

 が、ちゃんと最初から最後まで追跡調査しないと、何かの問題を解決したかと思ったらそれ以上の問題が積み上がっていたということになりかねない。

 ただでさえ大雨が増加している日本。環境に優しく雨に強い素材の開発が期待される。

 と強く感じた1日だった。

 日本のマンションのほとんどが外廊下なので、置き配は雨に弱いと思うんだが、それによる返品率の増加は数値化されているんだろうか。気になるところ。