「ルイ・ヴィトン ジャパン元社長が「ルイ・ヴィトンは高すぎる」の声に思ったこと(現代ビジネス編集部) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)」

日本人には、買う人も買わない人も「言い訳」が必要だということ知ったんです。たとえば「そんな高いもの、よく買うわね?」と言われた人は、「丈夫だから結局、トクなのよ」と答えます。あるいは「また新しいバッグ買ったの?」と言われると、「パリに遊びに行ったから、ついでに買ったんですよ」と、“ついで”を強調するんです。「欲しいから買った」とはなかなかならない。高級品を買うことへの後ろめたさや罪悪感があるのでしょう。

 本当にその通り(笑)。

 都会育ちの人よりも田舎育ちの人の方が特にその傾向が強い。人の目が気になるんだろう。一方東京だとハイブランドブティックに行列ができているくらいなので、買ったくらいじゃ目立たない。

 確かにいちばん多いのは「安い物はすぐダメになるけど、良い(≒高い)物は長く使えて結果としてコストパフォーマンスが高い」あたりか。すなわち「無駄遣いじゃない」というアピール。

 これがエルメス業界だと更に「投資として」「資産価値がある」とかイチイチ買う理由を付け加える人が多い。商品の値段に加えて、手に入れるまでに消費する時間と労力に対し「アンタもヒマね」と言われることに対する反証材料だろう。

 「欲しいから買った」「流行ってるから買った」「好きだから買った」とか、最近だと「SNSで自慢できるから買った」とか、素直に言えばいいのにと思う。どうせ見てわかるんだから(笑)。

 で、バーキンが出ないと「使わされた」と被害者に転じる。主体性がない。

 理由(言い訳)を必要とする時とは、客観的に見て違和感がある時。すなわち自分でも分不相応とか似合わないとか「もしかしていいカモなのかも」とか何かしら「ツッコミ処」や不安・気の迷いがある時。そこを先に潰そうとする心理。

 いわゆる自分と他者への説得材料。

 誰かに何か余計な一言を言われる可能性がある間は手を出さない方がイイ。端から見て自分はまだそのキャラじゃないと自分で感じている状態なのだから。