「学歴格差が生む米国の「絶望死」 ノーベル賞経済学者が語る病理:朝日新聞デジタル」

「米国の経済成長は、大卒層の一部にこそ成功をもたらしましたが、非大卒層には何ももたらしませんでした。非大卒の良い雇用は減り続け、賃金の中央値は半世紀以上も下がり続けています。土地や株式など資産の保有比率は90年代半ばまで大卒と非大卒で半分ずつ分け合っていましたが、今は大卒が4分の3を保有しています」

 恐らく先進国は世界共通。遅かれ早かれ。

 リーダーかつ商才のある人は、始まりが起業であっても勤め人であっても最終的に起業し自分の事業を営むことになるので、人生を通じて学歴の重要性よりも商才及びカリスマ性の有無の方が上回る。

 スティーブ・ジョブズを筆頭に近年の成功者に大学中退組が多いことを引き合いに出し「必ずしも大学を出ている必要はない」とか考えない方が良い。凡人が希に見る世界有数の天才を手本にすべきじゃない。

 一方、根っからの勤め人(雇われサラリーマン)は、どのクラスの会社に入るか(入れるか)すなわち採用試験の段階でほぼ人生のレールが決まるので、大卒か否かが非常に大きな意味を持つ。

 「大卒じゃなくいい」という会社に入れば、そこには経営者から「大卒じゃなくてもできる」と考えられている仕事しかないし(そもそも安い給与で人を雇いたいという前提がある)、当然に同僚も直属の上司も皆そういう人達だから、上位50%側と比べ学べることも少ない。言うまでもなく給与水準が低く、知的労働でない分年齢と共にそれほど給与が上がっていかないため、ほぼほぼ貧困が確定する。

 日本の大学進学率が55%なので、大卒じゃなくていい仕事に就いた時点で、社会人(或いは職業、または所得)偏差値が大凡48を切ることになる。

 転職しようにも、よほどの実績・成果を残し「うちにこないか」と誘ってくれるようなそれなりの地位の人の目に止まらない限り、偏差値50(真ん中)を切った業界内でしか仕事が見つからないため、20代は「とりあえず食えりゃイイ」と思っていても、30代、40代にもなると自身または身内の健康問題や仕送りなどで何かと出費が嵩み、経済的に逼迫・困窮してくる。

 だからサラリーマンにとっての「大卒」の称号は、賢いか否かの指標ではなくもはやパスポートのようなもの。持ってるから偉いんじゃなくて、持ってないと入れない場所(世界)があるという代物。ワクチンパスポートみたいに。

 最終的には上位約16%(偏差値60以上)に入らないと何かと厳しい。この数字は昔からの私の感覚値だが、1つ根拠を挙げるならば、日本の納税者の「8割強の納税者が適用税率10%以下」という事実からも大方同じ結論に至る。所得税率表から、8割強の人が年収329.9万円以下だということがわかる。

 ※「なのに日本人の平均年収が461万円なのはなぜ?」と問うならば、上位約16%側が平均を押し上げているということ。数が少ない側が平均を押し上げる時とは、それだけ差が大きいことを意味する。

 日本の現在の物価、海外の物価高と円安による輸入物(資源含む)の高騰、今後の少子化による量産効果の低下からくる値上げなどを踏まえると、何が何でも真ん中(50)より上側に所属してないとまさしく絶望を見ることになる。

 というわけで、サラリーマン人生を歩む人には「大卒」をすすめることが大人の責任だと言える。