グランパトロンの夏。

 私がヴィトングループの会長なら「まだ手に入れてないもの」リストのトップにグランパトロンが載るだろう。かれこれ15年程飲み続けているテキーラ。

 ヴィトンは見事アルマンドブリニャックを手に入れたが、グランパトロンもいつの日かディアジオモエヘネシーのラベルに変わるだろうか。

 以前も書いたが、もういよいよヴィトンなしで乾杯できない時代になりつつある。

 シャネルやエルメスなどの独立系ブランドは競合であるヴィトングループに属するモエシャンやヴーヴクリコ、ドンペリを使えないため、パーティーなどではローランペリエやルイ・ロデレールなどを使う

 例外もあり、今年のバーバリーはルイナール(ヴィトン傘下)を出した。もしかするとヴィトンはファッションカテゴリの競合にもお酒で協賛して宣伝効果を見込んでいるのか。

 一方ヴィトングループのフェンディやディオールなどはモエ、ヴーヴをフルに活用する。

 囲い込みの順番としてはヴィトンはあっぱれ。お洒落して最初に何するかと言えばシャンパンだから。そしてバータイムのヘネシー(コニャック)まで持っている。

 シャンパンパーティ(立食)にバーキンは合わない。肩にかけられない上に25cmでも重いのでやぼったく、シャンパングラスを持ったら両手が塞がりフィンガーフードを楽しめない。物騒な海外ではバッグを置くという文化がないので、必然的に持つべきバッグが決まる。

 という具合に、お酒を知ることでフランスや欧州のファッション文化への理解が高まるので、これまで興味のなかった人には是非すすめたい。

 ※テキーラはメキシコなのでフランス文化には関係ないが(笑)、長年セレブに人気ナンバーワンのお酒なのでヴィトンは狙ってるんじゃないかとかれこれ10年くらい思っている。

 テキーラは冷凍庫で。40度なので氷らない。おいしい塩とライムを忘れずに。金縁のクリスタルショットグラスが口当たりが良くおすすめ。