「「景色は綺麗だけど…」“富裕層のタワマン離れ”年収3000万円超の真・富裕層は低層マンションにシフト | マネーポストWEB」

 何が何でもタワーマンションを否定したい記事が増えている気がする(笑)。

 それはおいといたとしても、「年収3000万円を超える真の富裕層は三田ガーデンヒルズなど高級邸宅物件に目を向けています」を読むと、本当にわかってて記事を書いているのかなと思う。

 富裕層の定義は「純金融資産1億円以上」であり、純金融資産とは現金や有価証券などで、不動産は含まない。かつ住宅ローンなどの借り入れ額をマイナスするので、1億円現金を持っていても何かしらローンがあれば富裕層とは言わない。

 年収3,000万円の場合、手取りは約1,800万円(早見表)。月150万円で23区の中心部で100平米以上の賃貸(後述)に住んだら、平均的な家族構成で割と堅実に暮らして毎月50万円を預貯金に回すのもやっとだろう。

 仮にそれができたとして年間600万円。預貯金が1億円を超えるには17年かかる。

 平均2億円とされる都内のマンションを買うのも厳しい層。

 2億円の物件を買う場合、17年かけて1億円貯めてそれを頭金にし、残り1億円を17年ローンにした時点で純金融資産はマイナス1億円。金利は含んでない。富裕層から脱落する。

 ということから、年収3,000万円で富裕層入りしようと思ったら住宅ローンなしが前提になるので、必然的に持ち家ではないから賃貸住まいと仮定した。かといってその年収で郊外には住みたくないだろうから「23区の中心部」という設定。過去に株で一山当てて無借金で家を買って今は年収3,000万円といった人もいるかもしれないが希。

 一般的な「年収3,000万円」から推定されるのはそういう生活感(東京都心部の場合)。

 そこで何で「分譲マンション過去最高額の55億円を上回ると噂される」とする三田ガーデンヒルズの話が出てくるのかわからない(笑)。

 935年間貯金して買うのか(笑)。

 それとも年600万円づつの支払いで917年ローンを組むのか(笑)。

 仮に手取り1,800万円の全てを支払いにあてても完済に306年かかるんだが。金利なしで。

 年収1億円で手取りが約5,000万円。便を損なわない都心部に平均的な家族構成で住み月100万円で生活できたとし、3,800万円づつ毎年貯めても平均である2億円の物件を現金で買うには5年ちょっとかかる。購入時に預貯金がゼロになり、そこからまた堅実に暮らして5年ちょっと経ってやっと富裕層入り。

 これでもバーキンゼロの計算(笑)。

 という具合に、年収1億円でも2億円の持ち家に住み富裕層入りするのに早くて11-12年くらいかかるので、10億円を超える物件を持ち出す場合、年収3,000万円は出てこない。通常。

 東京都心部に住む年収3,000万円だと、三越・伊勢丹じゃ外商も付かないくらいしか買い物できなんじゃないか。事業用決済をしない限り。