単純労働で月給100万円は可能か。【第七回】

 先月、過去最高を更新し、売上が月960万円に達した。

 構造的な稼働率は現在約60%なので、特に何もしなくても時が来れば1,500万円/月はいく予定。1人で十分。

 利益率はもうこれ以上最適化・合理化は難しく、余程画期的なことを思いつかない限り約40%が続くだろう。画期的なことをした時点で単純労働でなくなるんだが。

 移動平均から年商1億円(手取り約4,000万円)のペースで、この極めて単調な作業としては我ながら上出来。

 身体も頭も慣れてきたので、ブログが10日も2週間も滞ることもなく、毎日ディナー時には葉巻とシャンパンを楽しむ余裕がある。ただし“超”知的労働と違って、以前の私のように24時間365日ヒマに見える(笑)かというとそうではなく、売上と共に時間を消費するようになってきた。それでも並行して他のこともこなしているので、冒頭で書いた1,500万円/月までは難なく到達する見込み。


 当初の課題だった1ヶ月の手取り100万円を超えた辺りから、利益率を高めている要因として“交渉力”が占める割合が増え、主たる作業自体は単純でも、全体としてはもはや単純労働とは呼べなくなっている。

 規模的に自分でそれ(交渉)ができない人はそれを得意とする人を雇う段階なので、一般的な流れとして自営業から経営者っぽくなっていくタイミング。言い換えると、他人の能力や生産性の影響を受け始める段階。飽くまで「普通は」という話。

 交渉とは話術だけでは成功せず、「この人と取引したら利益がありそう」「儲かってそうだからそれに乗りたい」など見た目の印象も重要。ソコを持ち合わせていると事がスムーズに運ぶ(時短)。「真面目」「勤勉」「誠実」という印象だけでは限界があるし、遠回りする分時間を消費し、一生のうちの成し遂げられる“量”が減る。

 特に業界内に競合が存在する場合、学校の障害物競走のように「とにかく頑張る」で真っ向から競い合って勝利するのも爽快かもしれないが、跳んだり跳ねたり避けたりすると体力も消耗するので、長期戦になると健康寿命を縮める。

 そこで自分のレーンだけ障害物を撤去する方向に頭を使うようになった時点で単純労働ではなくなる。そこから先は「商才」とはまた異なり、戦術・戦略を練るストラテジの領域。これも会社が大きくなればなるほど専門家を雇うことが多く、当然に高い報酬を支払う必要がある。

 という具合に、段階的に自分に足りないもの(技術や能力、センス)を補うために他人を雇い入れ、報酬と引き換えに補強していくのが一般的な事業構造。

 言うまでもなく全部自分でやれるマルチな人は利益率が高いし、他人に分配する必要がないので取り分が増える。

 これも言い換えると、全部自分でやれるマルチな人がいない(少ない)からこそ“雇用”が存在し多くの人が生活できるということでもあるので、どちらが良いかは見る角度次第。

 今まで私自身を除いて事業収入から給与(役員報酬)として年1億円以上をもらっている人に会ったことがない。もちろん大企業など報酬額の公開が義務付けられている人達の中に1億円を超える人達がいるのは知識上知っているが、私の周りのレベルが低いだけか(笑)直接会ったことがない。株(IPO含む)や為替、ビットコインでN億円儲けましたというソレとは意味が違う。なぜかというと、事業収入で経営者が給与を1億円取れる頃にはほぼ100%の確率で相当数の従業員を抱えているため、利益率が極めて低下するから。

 人を雇えば雇うほど平均に向かって収束する。

 100点の人が90点の人を雇えばこの組織(コンビ)の平均点は95点。そして80点、70点の人を雇い、最終的に末端は50点を切り、均すと世の中の「普通」に近づいていく。当然にその組織の所得偏差値も普通に向かって収束するので、高い報酬が得られなくなる。

 そうならないように、組織(会社)側は学歴や職歴などから高偏差値群のみを採用対象とすることが一般的だが、それでも下振れしやすい。優秀さと人間性とは必ずしも一致しないので、小賢さにプライドが相まって「オレはもっと報酬を受け取るべきだ」という感情が道を誤らせ不正を働くケースも少なくなく、その補填コストもかかるようになるから。

 結局のところ、能力格差が上にも下にも不満を抱かせることになる。

 一方株や為替、ビットコインなどの投資は基本的にソロ(単独)。才能のある人は誰からも足を引っ張られないので、そのまま能力に見合った収入が得られる。本来の能力差が出る。

 組織にいると格差を感じる人も多いだろうが、実際には「普通」側に均されている状態。

 だから組織で格差を感じる人は、個人技となると絶望するかもしれない。要はそこに立っている(座っている)だけで給与相場の2倍もらえる美人な受け付けや秘書などと同じで、見た目から何からイチイチ(かつあからさまに)差がつくのが個人技だから。

 究極的には、商才も計算もセンスも話術も美貌も全部持っている人が利益率が高い。当たり前のことだが。

 いずれは皆対等になるだろうことから、雇用(という上下)関係はなくなり全員自営業に近い形になるという予想から先を見越して今言えることは、「自分の特技は何か」という視点では「○○は私の仕事。▲▲は□□の仕事」と割り切ってしまう分コスト(人件費)がかかるので、「自分に足りないモノは何か」→足りない部分を補う努力をするという向上心の方が成功への近道だと私は思う。

 CPUのトレンドもマルチコアから統合型プロセッサの時代。「全部入り」が今後のトレンドだと言える。


■番外編:

 また更新が滞った。

 16日間もブログをさぼってしまった。

 12日間もブログをさぼってしまった。

■本編:

 単純労働で月給100万円は可能か。【第六回】

 単純労働で月給100万円は可能か。【第五回】

 単純労働で月給100万円は可能か。【第四回】

 単純労働で月給100万円は可能か。【第三回】

 単純労働で月給100万円は可能か。【第二回】

 単純労働で月給100万円は可能か。【第一回】

■場外予告編

 知的労働で完全無人収益化は可能か。【予告編】