エルメスの転売対策。目視確認済みチェックマーク(仮説)。

 前稿でエルメスの既存顧客と転売対策について書いた。更に踏み込んでみよう。

 以下は飽くまで私の推察であり、何の情報もナイのであしからず。

 私の見立てではエルメスは現在(昨秋以降)こういう仕組み。

 お達し:買った商品(特にバッグ)を実際に使っているか。販売担当者は確認し、確認後端末にチェックマークを入れるように。

 チェックマークが入るまでは、本社AI(これも推察)によるバーキンゴーランプ(笑)が点灯しないので、どこの店舗に行っても次のバーキンは出ない。もちろんケリーも。

 要は転売してないか。自分で使っているか。使ってない客に次のバッグを出してもしょうがないから。

 初期に「エルメスは担当制なのか。その2」の「エルメスで「覚えてもらう」ことがどう重要なのか」において、

👆転売ではないこと(買った物を使っていること)を目視確認してもらうため。

書いた

 漠然としているので、これをもっと日々の業務として形作ると、販売したスタッフは販売後の目視確認まで担当する。

 すなわち当該バッグ(個体)の販売担当者であり、世間が言う「担当さん」みたいなメルヘンな存在ではなくて、販売に責任を持ち(必然的に客の見極めも含まれる)、販売した後も責任を持ちなさいという仕組み。

 売上を立てりゃイイってもんじゃない的な。

 だから私はエルメススタッフは売上額に応じたインセンティブはなくてもペナルティはあると感じている。

 転売対策とは、転売してないことを確認するのがイチバンなので、シンプルだが購入後に実際に使っているかを確認すれば良い。

 前買ったバッグを使っていることを確認するまで次のバッグを出さない。的な。

 では男性客が女性にプレゼントした場合はどうだろう。

 一般的に150万円もするバッグを見ず知らずの人にプレゼントしないので、バッグを贈った女性とバッグ持参で一緒に店舗に顔を出せば良い。もう連絡も付かない(笑)なんてケースも滅多にないだろう。

 スタッフはバッグの目視確認と同時に同伴者を見てパパ活系かどうかの判定もしやすくなる。

 では、既に売ってしまった人達はどうなるだろうか。

 一度でもそのバッグを持って購入店舗に行ったことがあるなら多分大丈夫だろう。が、新品のまま転売した場合はもう見せようがないので、ゲームオーバーの可能性がある。

 ゲームオーバーとは、冒頭に書いた通り店舗を変えてもダメかもという意味。

 本社(またAIアルゴリズム)によるランプ点灯でバーキン(またはケリー)を販売する場合、店頭スタッフに決定権がないから。スタッフの異動や退職の可能性も踏まえ、販売したバッグの目視確認は常に引き継がれ、チェックマークが入らないとランプが点灯しないので、他の店舗に行ってもバッグは出ない。

 仮によその店舗で沢山お金を使って、通常ならバーキンを出そうかというところまで到達したとしても、その販売担当者に前の店舗で最後に(または去年1年間で)買ったバッグを見せないことにはチェックマークが入らないのでランプが点灯しない。

 要は最終的な販売担当者が直近(1年とか)購入分のバッグの使用を確認するという仕組み。

 というのが私の見立て。

 権利社会である欧米では、「買った時点でバッグの所有権は消費者側にあり、購入後に売ろうとどうしようと勝手」と主張する人達がいる。

 確かに自由。

 エルメス側も誰にバッグを販売するかを決めるのは自由。

 これは「表現の自由」と似ていて、どんな表現をしようとも自由ではあるんだが、その結果周囲に嫌われて干されたら残念でしたという話。周囲は今後も我慢しながら付き合いを続けなきゃいけない義務はないから。

って感じ。

 シーズン2で新規店舗を開拓してみたかった理由の1つでもある。恐らく俗に言う“ホーム”という概念は既に存在せず(店舗毎の判断ではなく)、出る客にはどこであっても出る状態になっていると思われる。

 “推察”、“仮説”と言いながら、私がエルメスの経営者ならそうするというレベルの話なので、軽く読み流していただきたい。