荒れ相場を眺めつつ、今後の相場観。

 久しぶりのパニック相場で、つい市場に目が行ってしまう。

 私自身は元々普段は投資をしないので何の影響もなく。それどころか参戦するならショート(売り)専門の私は、リーマンショック以降こういう荒れ相場こそ出番。

 この数年(コロナ禍から)、女性から株入門の相談を受けた際にデパート株をすすめてきた手前、日々株価は見てきたが、04月に引き続き買い(またはホールド)と断言するには自信がなくなってきているので、今後はデパート株の新規購入はすすめないつもりと書いた少し前からトレンド転換(日本だけでなく世界的に)のニオイを感じ、アドバイスを求められたら「今年下半期はニュートラル、または売り」と伝えていた。

 騒乱の時代に突入し、知識や数字よりも嗅覚勝負なところがある。

 確認したところ、皆06月中旬までに決済しポジションを解消していため、今回の荒れ相場には巻き込まれず、綺麗に売り抜けて無傷とのことで安心した。

 女性かつ「手始めに」ということだったので、ビジネスモデルや収益構造などのわかりやすさも含めてデパート株をすすめたんだが、1,000円で買って3,200円で売るというのはスゴい。

 ビットコインは“トランプ相場”で上がっていたが、ハリス女史優位の報道と共に下落している。ハリス女史はトランプ氏ほど仮想通貨びいきではないという見解からかと思われる。

 仮にハリス女史がアンチ仮想通貨だっとして(そうだという明確な根拠はないので飽くまで仮に)、なおかつ大統領になった場合、一時的に仮想通貨全面安から金(ゴールド)高が予想される。

 ※日本は金(ゴールド)資源国ではないので、円高によってドル建ての金(ゴールド)が値下がりしたように見えることもあるので、価値評価する上で注意が必要。

 面白いことにここ数日の株安相場において、ビットコインが上がっていないこと。それどころか円建てで見てもドル建てで見ても連れ安。これは安全資産としてみなされていないことを表す。

 一方でトルコのように通貨危機気味の国や戦地では当面の待避資産として選ばれやすいため、ロシア・ウクライナ、イスラエル・中東危機の中、乱高下を繰り返すと思われる。

 円高になると日本株が売られる。という印象が強いが、特にそういうわけでもないことは『「円高イコール株安」なのか 本当にヤバいのは円高とは真逆のアレ | 三井住友DSアセットマネジメント』がわかりやすい。

 円高が長く続けば、外国資本(日本株を持っている外国人)の為替差益を目的とした利確が相次ぎ、日本株安を促進することはある。そして円高時は外国資本が日本への新規投資を躊躇い、日本人は外国資産に投資したがるため、国内の株価が上がり渋る原因の1つとなる。

 同時に外資組の国内活動が静かになる。加えて日本人富裕層は海外に目を向ける。

 それに関連し、急速な円高進行で訪日キャンセルが急増するかもしれない。すると都内シティホテルはセールで埋めようとするので、宿泊費相場は下落するだろう。レストラン相場なども連れ安か。

 その時に都内ホテル宿泊・スパ・レストラン巡りもいいかもしれない。

 こういった下落相場がハイブランドの割高感を強調する。

 円高になれば日本人は海外での買い物が有利になるため、通常は海外旅行組が増える。円高で冷え込んだインバウンドに加え富裕層が海外に出てしまうと国内の売上が下がることから、何かしら外資(海外ブランド)は目玉を用意する必要がある。

 場合によっては「値下げ」とは言わずに「急激な為替相場の変動に伴う調整」という名の値下げもあり得る。

 インバウンドが減速すると、日本の転売・中古市場(新品は転売、中古はその名の通り中古)の価格が下がると思われる。そしてパニック相場の心理的影響で、これまでエルメス製品を「資産」「投資」と言っていた人達(元々製品にはさほど興味がない人達)が換金しようとするので、転売・中古市場は供給過多となり更に買取・再販価格が下がる。

 すると利ざやの減少で転売屋も萎むので、エルメス狂想曲の第一幕は幕引きかもしれない。

 という全体的な流れで見ると、先月末に書いた通り、年末にかけて国内のエルメス(ロレックスなども)は顧客にとってパーティーの様相かなと思う。

 かといってスーパーフリーを放出すると再び素人転売が増えるので、安定顧客夫婦は4枠満了でご満悦というケースも増えるかもしれない。

 不動産は2022年をピークに世界的に下落傾向であり、荒れ相場の時は真っ先に投資を控える対象であるため、私なら下がりきるのを待つ。特に日本は外国資本が円安を追い風に国内不動産を買っていたので、円高と共に下落が加速すると思われる。

 ※賃料は横ばいまたは上がっていたとしても、先行き不安や金利の上昇で売買価格が下がるため、賃貸組はピンとこないことが多々ある。

 アップルは割と感度良く為替レートを反映させる価格改定を行うので、値下げがあれば自宅や職場の設備増強・近代化をはかるのもイイ。

 「で、この荒れ相場の中どうしたらいいの?」というテーマは先月末までだったかなと思うので、おすすめとしては米ドル・ユーロ・ポンドのショート(売り)だが、ショートは苦手またはできないならば、現行ポジションが塩漬け・損切りコースにならないよう、損失を最小限に抑えることを優先した方が良いと思う。

 急激に下がった場合、元の位置との中間地点まで戻る「半値戻し」というチャートを見ることが多々ある。ポジションを持っている人はそこが見極め処だろう。

 ただ、私は2022年の時点で「2023年初めには1ドル=120円」を予想していて、そこから1年半正反対の円安に傾き、予想をこの上なく大きくはずしているので(笑)、軽く聞き流していただきたい。