「エルメス、24年上半期も増収増益 やや減速しつつも2ケタ成長を維持 - WWDJAPAN」

 前回の四半期決算に続いて上半期決算が出ていた。

日本は同9.0%増(現地通貨ベースでは22.4%増)の6億9300万ユーロ(約1094億円)だった。なお、円安によるインバウンド需要が旺盛な日本市場だが、同社によれば「エルメス」は国内の顧客による売り上げが主だったという。

 エルメスには「ホーム」の概念がある分、国内顧客はできるだけ日本で購入履歴を積み上げたいところだと思うが、この調子で円高が進んだ場合どうだろう。

 もちろんただの枠バッグ目当ての人達は何が何でも国内で買うだろうが、本当にエルメスが好きな客は日本で揃わない物は海外で買いそうな印象がある。影響ないレベルだろうか。

 日本での定価が変わらないまま円高が進んだ場合、日本円での売上は横ばいだったとしてもユーロ建てでは何もしなくても円高上昇分の売上が伸びることになる。

 すなわちフランス本社にとっては円高ボーナスなので、できるだけ日本で買ってほしいところ。

 他のエリアがやや減速気味な点を踏まえると、上場企業としては株価維持のためにもサプライズが欲しいし、数字(全体の伸び率)を牽引する見込みのある“円高ジャパン”に力を入れるんじゃないか。

というのが私の見立て。

 先月末に「この調子だと早々にバーキンの定価は200万円を超えそうな気がする」と書いたばかりだが、もしかすると海外は値上げしても、日本は為替調整で値上げせず、日本顧客を心理的にもてなし日本の売上を伸ばすという流れかもしれない。

 或いはまさかの値下げもあり得るか。

 日本市場の半年の売上から単純計算すると1日の売上は5億9945万円。

 なり振り構わず(笑)客寄せスーパーフリー戦略を採ったとして、国内27店舗で毎日+1個枠バッグを追加しても4,725万円/日(1個175万円で計算)しか増えないので、売上を10%伸ばすのも一苦労。

 枠バッグ以外に起爆剤はそうそうない気がするんだが、果たしてエルメスジャポンはどう出るだろうか。