エルメスの売上げ比率から「1:1説」を考える。

 エルメス(パリ)は上場企業なので売上の内訳を公開している。

カテゴリ別の売上高では、レザー製品と馬具が40億9100万ユーロ(5326億1260万円*)、既製服とアクセサリーが22億1900万ユーロ(2888億9449万円*)、シルクと織物が6億6900万ユーロ(870億9797万円*)、ジュエリーとホーム用品が10億100万ユーロ(1303億2149万円*)、パフュームとビューティが3億8500万ユーロ(501億2365万円*)、ウォッチが3億3700万ユーロ(438億7446万円*)、その他が2億7900万ユーロ(363億2337万円*)だった。

 レザー製品と馬具とその他全部の比率は40.91億€ : 48.99億€(1 : 1.1975)。

 この辺からも「1:1説」が出てくる根拠っぽさを感じるが、お布施中に挫折・離脱する人の方が圧倒的に多いだろうことを考えると、思いの外レザー製品比率が高い。

 ただ「レザー製品と馬具」なので、まず馬具を除き、ベルトや財布などの革小物を差し引いていくと、お目当てのバッグ類:その他の比率は1:3とか1:4とかになるかもしれない。

 かといって、130万円のバッグを買いたい場合、皆が390〜520万円使う必要があるかというとそうではないことを考えると、エルメスは顧客を選び、かつ選ばれた顧客にとって好条件な比率でバッグを提供していると言い換えることができる。

 それを踏まえてデパート外商員から聞いた推定で300〜500万円という数字は巷の「1:1説」よりもはるかに悪条件なので、外商経由はむしろ不利なんじゃないかという見解を後押ししてくれる。

 すなわち肥料(笑)となる人達がいるということを指し示している。