デパート外商とエルメス担当者の紹介の考察。

 世間では、エルメスで“ホーム”(店舗)を決めて、1人のスタッフから買い続け、いつか“お名刺をいただき“、“担当になっていただく”という流れが信仰(笑)されている。

 初めてエルパトブログを読んだ時カルト教団かと思った(笑)。

 で、買っても買っても名刺がもらえず、「名刺をくれ」とさえ自分から言い出せない人もいるらしい。そんな力関係。

 雇われ営業マンじゃあるまいし、名刺なんてもらって何すんのと思うが(笑)。

 完全エルメス優位(支配)の世界。

 それを横目にちょっとだけお金持ってる系の人達は、デパートの外商員に頼んで手っ取り早くエルメスの担当者を付けてもらおうと考える。ありがち。

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 去年、何となく外商ブームな気がしたので丹青会の記事を書いたら結構なアクセスがあり、三越・伊勢丹のプレミアダイアモンドの記事とレシートの星の数の記事がずっとサイト内ランキングトップ。その後逸品会貴品会もランクイン。全部グーグル検索やTwitterからのアクセスで関心の高さが伺える。

 検索キーワードから察するところ「丹青会(逸品会、貴品会)でバーキン買えるの?」的な発想の人達によるアクセスであり、外商ブームは気のせいではない。

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 そして外商員に顔合わせに付き添ってもらって、その後は当該通称“担当さま”から買い続けて、いつの日か“バーキンをご紹介いただく”のを待つという人が多い様子。

 小さい声で言うが、統一教会の次はエルメスかと思ったほど(笑)。

 私は外商経由でエルメスの担当者を紹介してもらってという方法はすすめない。

 遠回しに言って通じないよりは、ズバリの方が有益な情報になると思うのでストレートに言うが、見た目のショボい人がどうしても“担当者”を付けたいというなら外商経由もアリ。問題はその後(後述)。

 この「見た目」とは、美形かどうかではなく(笑)、身なり、雰囲気、オーラ。

 どこのブランドブティックでもレストランでもホテルでもなかなか顔を覚えてもらえないタイプの人は印象に残らない(個性がない、オーラがない、影が薄い、喋りが面白くない、或いはスタッフから見て覚える価値がない≒お金にならない)ということなので、外商担当者付き添いで顔合わせすれば、一応当該デパートの悪くない客だという第一印象を与えることができる。

 転売対策が全てのエルメスにとって、外商員から見た客観的な評価は多少なりと考慮されるだろう。

 そして外商プレミアム系(お帳場カードとか高島屋VIPブラックとか)で決済したり、デパートカードで決済し何十万、何百万ポイントの残額を見せつけてみたり(優待率が10%だから、その10倍の買い物をしているということ。エルメスでポイントは付かないが使うことはできる)、或いはセンチュリオンカードなどのいわゆるブラックカードで決済してみたりすることで、生活水準や支払い能力が多少なりと示され、足しにはなるかもしれない。外商経由でなくてもできることだが。

 ※そのうち書くつもりだが、私は自宅住所がいちばん重要だと思っている。昔から。

 しかし。私がすすめないのはむしろ評価を下げる可能性があるから。

 エルメスはデパートの外商イベント(逸品会や貴品会など)に全く付き合わないし、デパートカードにポイントも付けなければ優待割引もないという完全優位(ロレックスも同じ)なのに対し、外商を巻き込めば何とかなるかもという浅はかさ(いわゆる世間知らず)は、むしろ「で?」と思わせる可能性が高いから。少なくとも最新の多くの情報が集まる最前線に立ってる人じゃないのは確定する。

 もちろん日本人スタッフがあからさまに「で、外商部が出てきてどうしたんですか?もしかしてそれでバーキンが買えるとか思ってません?」なんて言わない。

 そこで性格の悪いスタッフに当たると、「じゃぁお手並み拝見と行きましょうか」という具合に、わざとでもバーキンを出さないという“いびり”に遭うかもしれない。

 ※下っ端をいびるオツボネを想像していただきたい。オツボネも真っ青という権力者を連れていけばコロッと態度が変わるだろうが、オツボネ以下の助っ人を連れて行こうものなら、もういよいよ手がないことが露呈し、ますます調子に乗りエスカレートするだろう。

 飽くまでバーキンを出す・出さないが店舗・スタッフ判断だった場合だが。

 バーキン紹介まで「推定で500万円くらい」と話した外商員も「担当者を紹介することはできる」と言っていたし、また別のデパートの外商員にヒアリングしたところ同じく「担当者を紹介することはできる」「推定で300〜500万円」という返事だったが、何とも冴えない顔(笑)をしていたので、私からズバリ「余計なことしてくれるな的な感じですか、エルメスは」と聞くと、大きなため息とともに「はい、雰囲気的には」と返ってきた。

 エルメスから見たら、変に期待されても困るし、外商経由で調子に乗って客にデカい顔されても特別扱いできないので困るといったところだろう。

 実際のところ、昔はエルメスもロレックスも外商部に融通していた。ロレックスはつい数年前までデパートポイントを付け、デパート株主優待も提供していたし、15年ちょっと前、私はあるデパートの(どうしても私に外商担当を付けたがっていた)社員から「バーキンとかご興味ありませんか」と聞かれたことがある。その時はまるで興味がなく断ったんだが(笑)。

 少なくともこの数年は全くそういった融通はないと聞いている。特にパンデミックで品不足になった上旅行に行けない分国内消費が増え(転売業者の国内調達も含め)、エルメスやロレックスから見れば、デパートと更に距離をとるのに良いきっかけだったと言える。

 ※カルティエやティファニーは外商部との付き合いが良い。シャネルはつかず離れずで、優先度は自前顧客の方が高い。

 言うまでもなく私はヒアリングのみでどちらの紹介も受けなかった。丹青会や逸品会、貴品会で十分にエルメスとデパートの力関係を見て事前に力関係を把握していたから。

 そもそも他人の力を必要としている時点で弱い。外商員とはデパートが提供するツールであって、保護者同伴のお受験のように一緒に面談に行く相手じゃない(笑)。

 事業主であろうと雇われであろうと、成功するためには観察力、洞察力、そして空気を読む力が必要なので、ここで時代遅れな(昔は強かったことは否定しない)外商頼みとくればその能力に乏しいと言わざるを得ず、むしろ「お金は持ってるんだろうけど、なんか冴えないよね」という印象を与えるんじゃないかと私は思う。

 その結果、いわゆる“課金組”最後列行きのリスクがある。

 1つの根拠として、外商員が言う300〜500万円という数字は、まだ数十万円しか使っていない私の感覚・手応えと大きくズレてるから。

 と言っても私もココから3年かかるかもしれないので(笑)、現時点ではそんな見方もあるのねくらいに受け止めていただきたい。