2023年エルメス総括。

 以下、私のただの見解・見立ての総括であって、エルメス業界の総括というわけじゃないのであしからず。


 枠バッグの購入時に身分証の提示を求めるようになったことの意味も踏まえ、エルメスは店舗横断型の管理(監視?)を強化しているっぽい(そう見える)。

 例えば店舗Aで要注意人物になっていても店舗Bのスタッフは知らないので、それを統括管理するのが本社のシステム。顧客数があまりにも多いことから、当然に機械(AI)化される。導入初期段階では教師あり学習を行うため、最終判断は人力でも、いずれはオートマチックになっていく。一般的に(現代の大企業の一般論)。

 よほどイレギュラーなことを除けば、スタッフがイチイチ本社に「○○さんに△△していいですか?」と都度問い合わせるのはバカバカしいし本社も煩わしい。

 だから基本的な内容(確認頻度の高い項目など)は販売支援システムに組み込まれていて、バーキンまたはケリーを出してよい客(スーパーフリーを除く)、時計やグローブオーダーを受けて良い客、ノエルに招待して良い客など、何段階かにわけてマーク(または色分け)で表示されていると推察する。

 ※スーパーフリーは顧客の履歴を確認する前に出すものなので関係ない。

 これは初期に書いた「バーキンゴー(GO)ランプ」そのものなんだが、世間で「顧客ランク」と呼ばれているものと基本は同じで、それを実務面まで落とし込んだ考え方。

 以下、システムが示すステータスインジケータをランプと呼ぶ。

 で、そのランプが点灯するまで担当者など意識する必要はない。

というのが私の見解。

 最初から1人のスタッフを狙い撃ちする必要はなく、ただフツーに買い物をし、ランプが点灯するのを待つだけ。

 むしろ初期はバンディットアルゴリズム(*1)に則って、相性の良いスタッフを探し出した方が良い。

  (*1)最適な選択をするためのアルゴリズムで、一定の割合で探索と利用(応用)を繰り返す。エルメスの接客にあてはめると、探索はランダム、利用=指名。

 ランプが点灯したら自然に担当者っぽい存在ができてくる。

 ※言い換えるとランプが点灯してなきゃスタッフは何もできないので、指名したところで良い待遇は期待できない。

 これも初期に書いたが、何かしらのお誘いを受けるレベルに到達した時、窓口を1本化しないと、イベントの案内などがいろんなスタッフから電話がかかっても鬱陶しいし、店舗側も「この客に誰か連絡した?」みたいなことになるので、どっちにしても窓口を1本化することになる。

 すなわち業務上の合理的な必然。

// でなきゃ、三越・伊勢丹の逸品会の案内のように何通も届くことになる(笑)。

 このランプはスタッフ端末に表示されるのか、バックヤードのパソコンに表示されるのかはワカラナイが、仮に後者ならば、もしかすると「確認してきますね」と裏に消えていく行動の一部は、ランプの確認も含んでいるかもしれない。

 在庫のあるなしとは別に、枠バッグを出して良い客なのか、或いは微妙な境界域にいる場合の確認など。

 ランプは本社管理で、店舗レベルでの判断領域は狭められていくと考えている。

 ということから、私はランプさえ点灯していれば誰であっても(検証は進んでないがもしかすると研修生でも)枠バッグを出せるものだという見立てを維持している。

 例えばの話だが、緑点灯なら正常、赤が点灯ならゲームオーバー(笑)、点滅なら通報(笑)、黄色が点灯なら何もするな、点滅なら要電話確認とか。

 ステータスインジケータとは、システムが検知したエラーを一目瞭然に表すためのランプであり、業務用機器類では一般的なもの。

 A店舗ではおりこーさんにしつつ、B店舗でクレーマーなんて可能性もあるため、全店舗を横断して評価する必要があり、これは本社にしかできない。

 枠バッグGOのランプが点灯してなきゃ在庫があってもバッグは出ないので、こういう客が「タイミング」「出会い」という言葉を聞いて毎日通ったところで、バッグは出ないだろうと思う。スーパーフリーを除いて。

 そういう意味でも、最初から一スタッフにこびりついて指名する必要はなく、まずはエルメスのシステムとの適合度合いが重要だと思われる。


 これまでにレコグナイザー顔認識システムの存在について書いたことがあるが(いずれも横断型管理の一貫)、まだ検証が進んでいない。もしかすると各店舗の監視カメラの映像を本社集中管理室で閲覧できるようになっているかもしれない。

 横断型の管理システムが上手く機能すれば、ランプさえ点灯していればどの店舗であっても在庫とタイミング次第で枠バッグが出るだろう。今現在(何となくだが)実験段階にあるように感じている。


 あくまで私の観察による考察なので真に受けず読み流していただきたい。


 というわけで、私は引き続き超巨大企業(最新決算は1.65兆円)としてのエルメスという角度から見ていくつもり。

 近々2023年の購入額(いわゆる実績)を公開する。